はじめまして。
株式会社アークス(ARCS Inc.)代表取締役兼CEOの棚瀬 将康です。
現在、東京の渋谷に本社を置き、不妊治療の課題を解決するためのプロダクを開発する会社を経営しています。
クリニックや大学、企業と連携し、誰もが安全で質の高い不妊治療を受けられる世の中を目指し、日々、事業に向き合っています。
出身は岐阜県で、元々、ものづくりが好きだったこともあり、さらに受験勉強の中で物理学に楽しさを覚えて機械理工学を専攻しました。
大学卒業後は、トヨタ自動車株式会社にエンジニアとして入社し、自動運転やAI分野の仕事に携わっていました。
在籍中の約1年は、Toyota Motor Europeに出向し、ベルギーで自動運転や先進安全技術について知見を深めながら働いていました。
帰国後は、知能化ソフトウェアの研究から開発を一気通貫で行う、トヨタのグループ会社Toyota Research Institute - Advanced Development(当時)にて勤務しました。
トヨタではトータル5年半ほど仕事をしましたが、最新の技術や優秀な人たちと働けたことは私にとって、貴重な時間となりました。
その後、トヨタを退職し、AIとニューロテックを融和させた事業を行う株式会社アラヤに転職しました。
これまでは、プロジェクトの調整役がメインだったため、エンジニアとして初めて業務として自らプログラミングをする経験もしました。
アラヤを退職した後は、外科手術支援システムを開発する、株式会社Jmeesにエンジニアの責任者として参画しました。
現在、医療分野の会社を経営していますが、少なからず、この会社で医療業界に携わった経験は影響しているのかなと思います。
サラリーマン時代も仕事は充実し、特段の不満があった訳ではありませんが、元々、せっかく仕事をするなら自分で会社も経営してみたいという想いがありました。
そして、色んな方との出会いもあり、2022年3月に株式会社アークスを設立する運びとなりました。
株式会社アークスは、生殖補助医療(不妊治療の中の1つ)の課題にアプローチし、誰もが安全で質の高い不妊治療を受けられる世の中を目指しています。
欧米や中国では、それぞれ90万件、日本でも45万件という数の生殖補助医療が行われています。
不妊治療は患者様にとっても体力的、精神的、金銭的にも大きな負担がかかっているのが実態です。
私たちは、AI、ロボットのテクノロジーを活用し、不妊治療の精度を上げ、世の中に貢献していきたいと考えています。
現在の不妊治療では胚培養士の方がクリニック内のラボという空間で精子や卵子を調整したり培養したりしています。
そこでの技術は難易度も高く、胚培養士の有資格者も人数が限られるので、属人的になっている部分があるのが現状です。
当社では、作業の自動化を目指し、研究開発を行っています。
胚培養士のスキルと、AI、ロボットの技術を組み合わせれば、質の高い不妊治療を安定的に受けられる世界を実現できると考えています。
▼会社の特徴・強み
当社顧問として、順天堂大学の河村和弘教授と東京医科歯科大学の池内真志教授をお迎えし、共同研究を行っています。
その道のプロの方とタッグを組むことで、事業の幅が広がっているのは間違いありません。
また、クリニックや大学、企業とも連携し、多くの皆さまに支えられながら事業を展開することが出来ています。
2022年には、東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)の支援プログラム、第7回「1stRound」支援先に採択され、2023年4月には、ディープコア様やみらい創造機構様からプレシードラウンドで総額7000万円の資金調達も行いました。
直近の2023年9月には、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構が実施した、2023年度「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)/STSフェーズ」(以下「NEDO DTSU STS」)の、第1回公募においても採択され、プレシードラウンドの調達も含めると、1億7000万円になります。
ベンチャーキャピタルや公的な資金も一部入っていることで、より一層、世の中のための価値のあるサービスを提供しようと身が引き締まる思いです。
ご支援いただいた資金で、研究機関やクリニック、企業との連携強化を図り、研究開発の質やスピードも高めていきます。
▼社内の雰囲気
本当に人に恵まれ、優秀なプロジェクトメンバーが集まってくれています。
プロジェクトに関わっていただいているメンバーは今や30人ほどになりましたが、各分野のスペシャリストたちなので、このチームなら必ず世の中に新たな価値を提供できると信じています。
フルタイムのメンバーたけでなく、パートの方や外部のパートナーさん含め、距離感は近いです。
もちろん成果を出さないといけないというプレッシャーはありますが、メンバーや提携先の皆さんとも頻繁にディスカッションができるので、ニーズに即したクリエイティブなアイデアも出てきやすい環境だと感じています。
プレシード段階なので、まずは質の高いプロダクトを作り上げることが大事だと考えています。
もちろん先々から逆算をして事業運営はしていますが、お客様に喜んでいただくベースとなるプロダクトをしっかり作りこむことが今は重要です。
上記でもお伝えしましたが、大学やクリニック、企業など多くの方に支えていただいているので、良いプロダクトを作れる体制は整っているかと思います。
新たな仲間も迎え入れながら一歩ずつにはなりますが、世の中に必要とされるプロダクトを必ず作り上げます。
▼さいごに
皆さんもご存じの通り、日本は少子化が進んでいます。
生活環境の変化や、所得の問題など、複数の問題が重なっている背景はあるかと思いますが、やはりこれは深刻な問題です。
一方、菅義偉 元総理が推進した、不妊治療の保険適用など前向きな話もあります。
日本だけでも多くの方が不妊治療で悩んでいるという現実は、大きな社会問題ですので、1人でも多くの方がその悩みから解放され、明るい未来が実現できるよう、私たちは前に進みます。
最後になりますが、この場を借りて、改めて、日ごろから支えてくださっている皆さま、いつもありがとうございます。
そして、是非、少しでも興味を持っていただいた方は、お気軽にお問い合わせください。
ご覧いただき、ありがとうございました。