2026-11-05

多様な文化や価値観を活かし、「電話×AI」で切り拓く新たな未来

株式会社ソフツー / 代表取締役 / 鍾 勝雄
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東京都

技術力を武器に日本へ――。ソフツー設立から現在の成長を遂げるまでの軌跡

はじめまして。
株式会社ソフツーの代表取締役を務める鍾勝雄(しょう かつお)です。

ソフツーは、AIと電話音声コミュニケーションを軸に、企業の電話業務を支援するITサービスを提供しています。クラウド型コールセンターシステム「BlueBean(ブルービーン)」や、AIを活用した電話サービス「ミライAI」などを開発・提供し、業務の効率化や省人化を実現。テクノロジーの力で、人と企業のコミュニケーションをより便利で豊かなものへと変えていくことを目指しています。

私が中国の山奥の村から技術ひとつで海を渡り、日本でソフツーを起業して約20年が経とうとしています。今回は、挫折から学んだ組織づくりや、AIと電話音声技術でビジネスの「当たり前」を変える私たちの挑戦について、ありのままにお話しします。

▼始まりは中国の山奥の村。ITと出会い、2度の起業を経て日本へ
中国のとある農村で、私は育ちました。当時は、中国の市場経済化が急速に進んだ時代でした。かつては国が決めた仕事に就き、給料も一律だった状態から一転、職業選択の自由が生まれ、自ら事業を興すこともできるようになりました。だからこそ、誰しも「勝ち組になろう」と必死で努力をしていました。
貧しい農村出身の私も、幼少期から「勉強して、自分の人生を変えるしかないんだよ」という母の教えを受けて育ちました。

その後、大学へ進学して建築を専攻しました。しかし、大学で初めて触れたパソコンの魅力に夢中になり、独学でITやプログラミングの学びを深めていったのです。
当時は「起業」して成功を目指すことが一つの潮流となっており、私自身もずっと「いつか起業したい」という想いを抱いていました。

大学卒業後、私はアメリカの通信会社の中国支社にエンジニアとして就職しました。そこでは、電話のさまざまな音声技術に関わる仕事を経験し、この時の知見が、ソフツー創業の原点にもなっています。
その後、中国で2度の起業を経験したものの、成功までには至らず断念することになりました。
2006年、あるご縁に恵まれ、私は日本で新たな生活と仕事を始めることになったのです。

▼ソフツー誕生の経緯と、創業初期の試練
来日後は、派遣エンジニアとしてさまざまな現場で経験を重ねました。
当時、日本と中国との開発プロセスの違いに驚いたことを覚えています。日本の大規模なプロジェクト現場では、何百人ものエンジニアがチームに分かれ、精度の高い仕様書をもとに開発を進めていました。実装後は、テストチームが入念な検証を行い、問題が見つかれば改修を経て、リリースされていました。「だから品質が担保されるのだ」と、そのプロセスの完成度の高さに感動しました。一方で、中国で経験したのは開発スピードを重視した効率的な少人数開発。双方の開発を経験し、その強みを理解できたことも、私にとって大きな糧となりました。

2年間、派遣エンジニアとして働く中で、当時の日本にはインターネットを活用した電話サービスがまだ少ないことに気が付きました。
そこで、私がこれまで培ってきた電話音声技術を活かし、日本で新たな挑戦をしようと決意したのです。

そして2008年、株式会社ソフツー設立に至りました。
しかし、創業時の資金はわずか60万円。当時の私は人脈もなく、日本語も満足に話せませんでした。「技術力」だけを武器に、まさに「ゼロ」からのスタートだったのです。最初の5年間は売上がほとんど伸びず、事業を維持するだけで精いっぱいという苦しい状況が続きました。

転機となったのは、日本社会に「クラウド」という概念が浸透し、企業が当たり前にクラウドサービスを利用するようになったことでした。私たちが開発したのは、クラウド型のコールセンターシステム「BlueBean(ブルービーン)」というサービスでした。社会の変化に伴い、私たちのサービスが徐々に評価されるようになり、事業も軌道に乗り始めたのです。

▼組織の危機を乗り越え、一人ひとりが力を発揮できる強い会社へ
その後、事業が順調に進む一方、エンジニアとして自分の「技術力」には自負があったものの、経営者としては足りないものがあることを痛感していました。社員数が増えていく中で、組織運営には特に難しさを感じていました。

そこで、私は「『経営』への学びを深めたい」と考え、ある経営塾に参加しました。そこで学んだ経営哲学が非常に素晴らしく、私は深く感銘を受けました。「社員全員で一緒に勉強しよう」と考えた私は、学んだ内容をそのまま会社に持ち帰り、社内で実践することにしたのです。朝礼での共有や、勉強会を通じて学びを浸透させれば、組織はさらに強くなると信じて疑いませんでした。

しかし、当時の私のやり方は大きな間違いでした。社内の意見を聞くこともなく、自分が良いと思ったものを自社の実情に合わせず、そのまま取り入れてしまったのです。
ソフツーは、約10か国出身の優秀なエンジニアが集まる国際色豊かな会社です。社員の半数以上が海外出身で、それぞれが異なる文化的背景や価値観を持っています。それにもかかわらず、私は自分の考えだけで突き進んでしまいました。結果として、エンジニア社員の半分が会社を離れるという事態に陥ったのです。

この出来事に私は大きな衝撃を受けました。そして、組織をきちんと整えなければという思いが強くなりすぎ、社員一人ひとりの気持ちに向き合えていなかったことに気づかされたのです。自分が素晴らしいと思ったものであっても、まずは社員の意見を聞き、自社に合う形に整えて導入すべきだったと心から反省しました。

この手痛い失敗から学びを得た今では、定例会議など、さまざまな機会を通じて、会社の方針や考えを私自身の言葉で直接伝えるようにしています。1on1(1対1の対話)で社員一人ひとりと向き合い、お互いを理解し合う対話を重ねる機会も設けました。多様なバックグラウンドを持つメンバーが多いからこそ、お互いを尊重し理解し合った上で物事を進めることが、何よりも重要だと実感しています。

現在、社内は活気に満ちあふれ、社員たちがそれぞれの技術や経験を活かして活躍してくれています。
私自身、経営者としてまだまだ学ぶべきことも多いですが、大切な仲間たちに支えられ、会社設立から18年が過ぎました。19期目を迎えた今、会社として着実に成長を続けられていることを誇りに思っています。


人間らしい電話対応を実現し、誰もが手軽に使い始められるサービスの強み

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▼電話×AIで描く、ビジネスコミュニケーションの新たな可能性
ソフツーは、私がこれまで培ってきた電話音声技術を軸に、AIを活用したクラウドサービスを開発・販売している企業です。
創業当初から手がけてきたクラウド型コールセンターシステム「BlueBean」は、私たちの提供するサービスの中でも、会社を支える主力事業となっています。お客様の業務に合わせたカスタマイズが可能で、小規模から大規模なコールセンターまで幅広く対応できる点が特徴です。

そして、現在私たちが特に注力しているのが、AI技術を活用した電話自動応答・取り次ぎサービス「ミライAI」です。
「ミライAI」は、あらゆる業種の一般企業や自治体などでもご活用いただけるサービスで、代表電話への自動応答はもちろん、担当者への取り次ぎや営業電話への対応もカバーします。大きな特徴は、取り次ぎ先の担当者が不在や多忙で電話に出られない場合でも、AIが再度対応して伝言を受け、担当者へチャットやメールで即座に通知する点です。
お客様からも「不要な電話で仕事を中断されなくなった」とご好評をいただいており、先日実施したアンケートでも「課題解決につながった」「電話対応時間を削減できた」といった嬉しいお声を多数頂戴しています。また、導入いただいたお客様のご紹介によってサービスがさらに広がっていることも、大変ありがたく感じています。

私たちのサービスは、手軽に導入できる点も魅力の一つです。気軽にお試しいただけるデモ環境を用意しているほか、スピーディーな本格導入が可能で、導入しやすい価格設定にもこだわっています。

▼お客様のビジネス課題を解決する「ミライAI」――開発の背景とこだわった「人間らしさ」
現在注力している「ミライAI」開発のきっかけは、コロナ禍において当社を含む多くの企業がテレワークへ移行したことでした。
テレワーク中で閑散とした社内に電話が鳴り響いても、出る人がいない。出社している社員がいたとしても、テレワーク中の各担当者へ取り次ぐことができない。当時、多くの企業がこうした問題に直面していました。
電話音声技術に強みを持ち、早くからAIを活用してきた私たちだからこそ、この課題解決に貢献できるはずだと考えたのです。そうして開発したのが「ミライAI」でした。

開発にあたって私たちが最もこだわったのは、「人間と変わらない自然な対応」を実現することでした。
例えば、社内に同じ名字の社員が複数人いる場合、電話で「佐藤さんお願いします」と言われたら、人間であれば「どちらの部署の佐藤でしょうか?」と確認し、取り次ぐべき人物を特定しようとするはずです。
また、「山崎」という社員がいる場合、『やまざき』『やまさき』のように、2通りの読み方が考えられます。人間であれば、どちらの読み方で伝えられても、「山崎さん」へ電話をつなぐのではないでしょうか。
こうした人間ならではの柔軟で自然な対応を、「ミライAI」でも再現できるようにしました。

さらに「ミライAI」は、担当者へ電話を転送する際、「○○さんからお電話です。おつなぎしてもよろしいですか?」と担当者に取り次ぎの可否を確認するように設計しています。これもオフィスでは日常的に見られる光景です。「ミライAI」も人間と同じように、担当者の状況や意向に合わせて、そのまま電話をつないだり、「あいにく席を外しております」と伝えて伝言を受けたりすることができるのです。

その他にも、営業電話対策の設定や、大事な得意先からの電話は「ミライAI」を介さず直接つなぐ設定など、各企業の状況に合わせて柔軟に運用できる点も強みです。

現在では、東京都大田区の実証実験促進事業に「ミライAI」が採択され、区役所の電話対応の負担軽減や業務効率化に向けた取り組みを進めています。実証実験を通じて見えてきた課題に対して、さまざまな改善や改良を重ねながら、区役所職員の電話応対業務を年間300時間削減することを目指し、尽力しています。

▼徹底したユーザー視点――すべてのサービスに共通するプロダクト思想
こうしたソフツーのすべてのサービス設計に共通しているのは、徹底した「使いやすさ」へのこだわりです。
お客様が複雑な初期設定に悩む必要がなく、マニュアルを見なくても直感的に操作できるような設計を追求しています導入後も個別に細かい調整をすることなく、すぐに現場で使っていただけるようなサービスが私たちの理想です。「スタート時にすぐ使えて、誰でも簡単に扱える」ことこそが、何より重要だと私は考えています。
変化の激しい現代のビジネスにおいて、スピードと効率は重要なポイントです。サービスの使い方を覚えるために貴重な時間を費やすより、最初から簡単に扱え、使い続ける中で応用できるようなサービスを私たちはこれからも追求していきます。

▼多国籍組織だからこその強さ――「違い」を前提とし、尊重と相互理解を大切に
先ほどお伝えしたように、ソフツーは約10か国出身のメンバーが集まる国際色豊かな会社です。
社内の公用語は日本語ですが、日常の社内ではさまざまな国の言語が飛び交っています。見知らぬ外国語の会話から大きな笑いが生まれ、その様子を見た別の社員が「今のなんで笑っていたの?」と、新たなコミュニケーションが生まれることも日常茶飯事です。

多国籍な組織だからこそ味わえる楽しみもあれば、一般的な日本の会社以上に意識しなければならない点もあります。
来日して20年近くになる私は、日本の習慣や文化をある程度は理解しているつもりです。しかし、社内には来日して間もない若いエンジニアも大勢います。生まれ育った国、バックグラウンド、そして文化も異なるのが大前提なのです。その中で、絶対的に「正しい」ものは存在しません。
だからこそ、「自分にとっての“当たり前”は、相手にとっての“当たり前”ではない」という考えを念頭に置いて、コミュニケーションを取ることが何より大切だと社員たちに伝えています。

それゆえ、当社には「言わなくても通じる」「空気を読む」といった慣習はありません。
気になることや疑問点があれば、積極的にコミュニケーションを取り、お互いを尊重しながら考えや意見を伝え合うことを推奨しています。多様な文化が混ざり合う環境だからこそ、認識のズレや違和感を曖昧にせず、対話によって解消していくことが重要なのです。

多国籍だからこその大変さもありますが、ソフツーには優秀なエンジニアたちが、それぞれの技術や経験を活かし、自由に挑戦できる環境が整っています。
私は、決してカリスマ経営者ではありません。それよりも、会社に集まってくれた優秀なエンジニアたちが、その知見と技術力を存分に発揮できる環境や仕組みをつくっていくことに力を注いでいます。そのため、当社では自分の意志や考えを持って、主体的に行動できる人材が活躍しています。

お互いの文化の違いを認め合い、強みを引き出し合える最高の仲間とともに、私たちはこれからもビジネスの課題解決につながる画期的なサービスを生み出し続けていきます。


AIを“正しく”活用し、新たな「電話文化」の価値を創造する

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▼今後、会社で実現したいこと
日本国内では、人口減少が進み、人手不足が大きな課題となる中、私の周りの経営者仲間からも、「採用が難しくなっている」という悩みをよく耳にします。そうした状況下で、限られた人員で事業を持続的に運営していくためにも、「AIを活用して業務効率化を図らなければならない」という危機感を多くの経営者が抱いています。
一方で、AIの安全性や回答の信頼性に不安を感じ、導入へ踏み切れずにいる企業も少なくありません。

現在、私たちは独自のAI開発にも取り組んでいます。「AIの柔軟性や高い性能」と「AIの動作を正確にコントロールする技術」。この2つを高い次元で兼ね備えたサービスを実現し、誰もが安心してAIを活用できるよう、さらなる技術開発に注力していきます。
すでに「ミライAI」にも、この技術を組み込んでいるほか、直近ではコールセンター向けAIサービス「BlueBean AI」の提供も開始しました。AIを適切にコントロールしながら、その優れた利便性を実感していただけるサービスを、広く社会に届けていきたいと強く思っています。

そして、その先にある私たちの大きな夢が、「電話の文化そのものを変えていくこと」です。
現在では、電話は「仕事を中断させる煩わしい存在」とネガティブに捉えられてしまうことも少なくありません。しかし、「電話」は本来、人と人とをつなぐ大切なコミュニケーションツールであるはずです。
私たちの技術を活用すれば、業務に必要な大切な電話だけをつなぐことができます。さらに、人と人とをつなぐだけでなく、電話の対話から得られる音声情報を、会社の資産やノウハウへと昇華させることも可能です。
私たちのサービスが社会に浸透していくことで、「電話」の持つ本来の価値をさらに高めることができると心から信じています。

▼さいごに
当初、私は一人のエンジニアとしてキャリアをスタートさせました。しかし、日本へ渡りソフツーを立ち上げ、会社とともに歩んでいく中で、少しずつ経営者へと変化していきました。
自分自身でコードを書き、開発に従事していた頃は、自分の手の届く範囲内の多くをコントロールすることができました。一方、経営者は自分一人でできることには限りがあり、組織の力を最大限に活かす必要があります。思い通りにならない難しさもありますが、一人では決して成し遂げられない大きな夢に挑戦できるという、他では味わえない醍醐味があります。

私の役割は、社員みんなが最大限に力を発揮できる環境を整えることです。経営者として学び続けながら、社員一人ひとりの可能性をさらに引き出せるよう、全力を尽くしていきます。

ここ数年でAI技術は飛躍的に進化し、日々新しい技術が誕生しています。今日、AIにはできなかったことが、3か月後、1年後には当たり前のように実現できる時代がきています。AIを日常的に使う人が増えているとは思いますが、現状では、ちょっとした相談や資料作成など、限られた用途での活用にとどまっているという印象を受けています。

私は、リスクを適切にコントロールしながらも、あらゆる場面で「AIを使ってみる」姿勢が何より重要だと考えています。「AIの可能性」を信じて、さまざまな用途で試行錯誤を重ねることで、新たなチャンスや飛躍へのヒントが見えてくるのではないでしょうか。
社内でも、「リスクを考慮しながら、AIを最大限に活用してください」と社員に伝えています。どんなことにでも、「まずAIを活用できないか」という発想を持つことが、変化の激しい時代を勝ち抜くために必要なことだと確信しています。

ソフツーは、これからもグローバルな「人材力」と、電話音声技術やAIで培ってきた「技術力」を活かして、新たな電話文化の価値を創造し、日本社会の発展に貢献し続けていきます。

profile

氏名
鍾 勝雄
役職
代表取締役

Introduction

企業名
株式会社ソフツー
所在地
東京都中央区築地1丁目13番14号NBF東銀座スクエア7F
事業内容

■クラウド型コールセンターシステムサービス事業
 クラウド型CTIアプリケーションBlueBeanの開発・販売やOEM提供
■AI電話自動応答・取り次ぎサービスの開発及び提供
 クラウドAI電話アプリケーションミライAIの開発・販売
■ホテル用電話機販売事業
 ホテル客室・ロビー用アナログ/SIP電話機の販売
企業サイト
https://www.softsu.co.jp/
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