
はじめまして。
株式会社ディライトの代表取締役を務める高橋亮です。
ディライトは、葬儀業界とお墓業界に特化し、「人の困った」と「集客の困った」を解決する企業です。
業界トップシェアを誇る人材派遣業をはじめ、AIを活用した業務支援、葬儀社の口コミサイト「葬儀の口コミ」の運営など、人材とウェブマーケティングの両軸から業界の成長と活性化を推進しています。
大学中退、葬儀業界での下積み時代、共同経営の苦難を経て、私は30歳でディライトを設立しました。リーマンショックやコロナ禍という大きな試練もあがき抜き、業界トップシェア企業へと躍進しました。成長し続けるディライトの強さの源泉とビジョンを、私の歩みとともにお話ししていきます。
▼「レール」からの離脱。大学中退を経てつながった、葬儀業界という新たな道
私は少年時代から、人から命令や強制されることが大嫌いで、学校のルールややり方も、自分が納得できないものには従わない子どもでした。しかし、勉強には熱心に取り組み、部活でも結果を出していたので、先生からすればきっとマネジメントしづらい生徒だったのだと思います。
高校時代には、そんな自分に合う道を進もうと、「エリートサラリーマン」になるか、誰かに指図されることなく自ら組織を率いる「起業」をするか、漠然と2つの道を思い描いていました。
しかし卒業後、大学へ進学したものの、私はわずか2か月で中退します。
「この環境にいては、自分が目指す成長はできない」
周囲の学生たちが大学に入ったことで満足し、どこか浮ついているように見えてしまったのです。そんな強い危機感を抱き、下した決断でした。
大学を中退した時点で、私の中で「エリートサラリーマン」という選択肢は消えました。
残る選択肢は、「起業」への道。
しかし、社会人経験もない20歳前後の自分にはまだ何の武器もありません。
「まずは起業への第一歩として何か仕事を始めよう」と動き出しました。
そして、たまたまご縁がありアルバイトとして入社したのが、葬儀業界の会社だったのです。
▼21歳での共同起業。順調な成長の裏にあった組織の危うさ
入社したのは葬儀業界の人材派遣を手掛ける会社でした。20代後半の社長もベンチャー気質あふれる方で、入社前からその社長には「いずれは自分で起業するつもりです」と伝えていました。その会社で志を同じくする仲間と出会い、1年半後、3人の共同出資・共同経営で起業を果たしたのです。
私が21歳の時のことでした。
私たちは、前職と同様の葬儀業界の人材派遣領域で事業を興しました。
業績だけを見れば、私たちの会社は事業の滑り出しから順調に成長し、展開エリアも拡大していきました。
しかし、内部では共同経営者同士の意見が対立しており、組織としては脆さを抱えていたのです。
私たちは年齢や経験、見据える時間軸もそれぞれ異なり、経営への考え方や価値観が合わずに、ぶつかり続けていました。
どれだけ話し合ってもお互いに分かり合うことはできず、当面の解決策として、3つの拠点にそれぞれが分かれ、各自の戦略で事業を展開するという答えに至りました。そのような状態でも、会社全体としては、一定の成長を続けていました。
▼【ディライト誕生】前職の経験を糧に、新たな航路を進む決意
その後、会社設立から9年目のことでした。
共同経営者で筆頭株主だった代表取締役が現場から離れることになり、私が代表を務めることになりました。そして、私は分散していた経営機能を一カ所に集約し、経営の効率化と組織の一体化を図ったのです。
しかし、資本比率と実質的な経営の主導権を巡って、経営陣の間で再び激しい対立が起こりました。
「このままでは未来を描けない」と限界を感じ、私は会社を離れる決断をしたのです。
その後2007年、私は30歳で株式会社ディライトを設立しました。
前職の経験から共同経営の難しさを学び、会社は100%自己資本で立ち上げました。
こうして再び葬儀業界の経営者として、新たな航路へと舵を切ったのです。

▼何よりも信頼性を大切に:ディライトの事業詳細
ディライトは、葬儀業界の人・集客の「困った」を解決する企業です。
1つ目の柱である「人の困った」に関する事業として、葬儀社専門の人材派遣・人材紹介に加え、企業に代わって葬儀運営全般を請け負うサービスも提供しています。さらには、葬儀社専門の「電話対応AI」の開発・販売も手掛け、業界の業務効率化支援にも寄与しています。
2つ目の柱である「集客の困った」に関する事業が、当社が運営するお葬式版口コミサイト「葬儀の口コミ」をはじめとする、業界特化のウェブ集客支援です。アナログでの集客支援も行っておりますが、競争が激化するウェブ集客におけるご相談が圧倒的に多くなっています。
近年では、隣接するお墓領域でも競争が激しくなっており、私たちはその領域にも事業を展開しています。
「葬儀の口コミ」は、葬儀業界で長年実績を持つ私たちが信頼性のある情報を届けることで、すべての人々が悔いのないお葬式を行えるようにとの想いから、2015年に立ち上げたサービスです。また、2023年にはお墓版のサイト「お墓の口コミ」も開始しました。
何よりも「信頼性」を大切にしており、利用者、葬儀社および霊園・墓地の事業者、それぞれにとって価値のあるサイトであることにこだわっています。そのために私たちは、口コミ投稿時の本人確認や全口コミの目視確認、利用実態の確認など、信頼できる情報発信に徹底して取り組んでいます。
▼世界的なパンデミックによる危機――有事だから果たせる価値がある
2007年の会社設立から着実に成長を続けてきたディライトですが、予期せぬ社会的危機や災害により、大きな試練の淵に立たされたことも幾度かありました。しかし、私たちは苦難を迎えるたびに、それを成長の糧に変えて躍進を重ねてきたのです。
その中でも特に大きな転機となったのが、コロナ禍でした。
未曽有の事態により、お葬式は規模の大幅な縮小や簡略化が進み、葬儀業界全体が大きな打撃を受けました。私たちも非常に苦しい時期ではありましたが、「有事の中だからこそ、できることがあるのではないか」と模索を続けていました。
通常、病院で亡くなられた際、ご遺族が葬儀社へ連絡し、その葬儀社が指定の安置場所までご遺体を搬送するのが一般的な流れです。
しかし、葬儀業界にとっても未知の感染症だったパンデミック初期は、感染リスクへの不安に加え、葬儀社の受け入れ体制も整っておらず、ご遺体の受け入れを辞退せざるを得ない状況が相次ぎました。その結果、搬送を待つご遺体が増え、病室にまであふれる事態となりました。さらには、本来、生きている患者の治療に充てるべき医療従事者の手を、ご遺体の保全に割かざるを得ない危機的状況に陥ってしまったのです。
現場崩壊寸前ともいえる状況の中で、葬儀社や病院から私たちのもとに、「何とかしてほしい」という切実な声が数多く届きました。
「有事だからこそ、ディライトだからこそ果たせる価値がある」
私たちがやるしかない、と奮起しました。
コロナ対応の専門チームをつくる――。
これは葬儀業界の人材派遣でトップシェアを持つ私たちだからこそできることであり、果たすべき使命であると考えました。専門知識の教育や、感染予防トレーニングを実施し、少数精鋭の専門チームを立ち上げました。そして、特に逼迫していた東京都内を中心に、新型コロナウイルスで亡くなられた方々のご遺体の引き取りや搬送、葬儀などを私たちが請け負ったのです。
危機的な現場の支えになろうと、私たちも必死でしたが、それが結果として業界内におけるディライトの知名度や信頼度を高めてくれました。
当時の出来事をきっかけにお取引が始まったお客様も多く、コロナ後の回復期には、苦しい時期に培ったものが、会社の成長を押し上げる力となってくれたのです。
▼苦境だからこそ、もがき続ける文化――それが信頼につながっていった
2011年の東日本大震災時の出来事も、その後の私たちを支える転機となりました。
震災直後は首都圏でも停電が発生し、公共交通機関の運休に加え、ガソリンの給油も難しく、車も出せないなど、移動が困難な状況に陥っていました。
そうした状況下でも、故人を偲び弔う「お葬式」は執り行わなければなりません。ところが、移動手段が大幅に制限される中で、当社の派遣先である葬儀社でも社員が出勤できない現場が多発していました。
もちろん当社も同じ状況ではありましたが、それでも大勢のスタッフが自転車などあらゆる手段を使って、現場へ駆けつけたのです。さらに、「現場へ行けること」を最優先にしたシフト再編や配置を行い、「有事だからこそ求められる対応」を会社一丸となって実行しました。
「何があっても、ディライトが来てくれる」
この経験を通じてお客様からいただいた厚い信頼が、現在のディライトを支える確かな礎となっています。
どんな“嵐”の中でも、私たちは立ち止まることなく、もがき続けてきました。
「非常時だからこそ、生まれるニーズがある」
「私たちだからこそ、できることがある」
私たちは、大きな危機を迎えるたびにそれを機会に変えて、飛躍を遂げてきたのです。
▼「喜ばせ、喜ぶ、ぶっちぎりで!」ミッションに込められた想い
ディライトは、「喜ばせ、喜ぶ、ぶっちぎりで!」というミッションを掲げています。
「仕事」の対義語は「趣味・遊び」だと私は考えます。趣味や遊びは、「自分のために自分のやりたいことをすること」。一方、仕事は「他人のために他人が求めていることをすること」です。
他人のために行う「仕事」ですが、それによって自分も対価と感謝を得ることができ、結果として自身の物心両面の豊かさにもつながっていきます。
ですから、人を喜ばせれば喜ばせるほど、それが巡って自分の喜びも大きくなっていきます。他人の喜びと自分の喜びは相反するものではなく、深くつながっているのです。
「人を喜ばせて、自分も喜ぶ」という考え方で仕事に取り組める人は強い、と私は思います。
自分事として一生懸命仕事に取り組むから、お客様に喜んでいただけ、成果も出ます。その結果として、自身の評価や報酬アップにもつながっていくのです。
会社設立当初からこのミッションを掲げ、アルバイト含めて全メンバーにその意義を伝えてきました。
まず相手を「喜ばせる」ことがすべてのスタートです。
あらゆる側面において、「喜ばせ、喜ぶ」、それも「ぶっちぎり」で!
このミッションに込められた想いが、コロナ禍や東日本大震災で私たちが取った行動の支えとなっていたのだと、改めて実感しています。
▼【強固な船団組織】「自由」を支える徹底したミッション・ビジョン・バリュー
私たちの組織は、すべてミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を判断基準として動いています。
会社全体のMVVは言わば“憲法”の役割を担っています。その“憲法”の下に、事業部ごとのMVVがあり、さらに各サービスやチーム単位、最終的にはメンバー一人ひとりのMVVがあるのです。もちろん、各MVVは“憲法”の範囲内でそれぞれが主体的に決めることができます。短期プロジェクトを立ち上げる際にも、まず「MVVを決める」ことから始めるほど、この文化が浸透しています。
細部に至るまでMVVを徹底しているのは、自由度の高い組織づくりを目指しているからです。
「自由」とは、「自分で立つ【自立】」、「自分を律する【自律】」、「自分で責任を取る【自責】」。
この3要素で構成されていると私は考えています。「自由に働く」とは、当事者として考えて行動し、その結果の責任を自ら引き受けることなのです。
しかし、この「自由」を実現するためには、自分を律する「判断基準」が不可欠です。私たちにとって、その「判断基準」こそが、「MVV」です。会社全体からチーム、個人に至るまでMVVが存在するので、指示を待つことなく、判断し行動することができます。すべてが会社全体のMVVに基づいているからこそ、一人ひとりが自由度高く働きながら、全体で価値観を共有し、共通の目的に向かって前進することができるのです。
そのため、行動の判断材料となる情報共有のスピードと透明性には強いこだわりを持っています。業績や経営数字は可能な限り迅速に社内へ公開し、メンバーたちが「自由」に判断して動ける環境を整えています。
組織づくりにおいては、一隻の大型船ではなく、小回りの利く小型船が集まった「船団」でありたいと考えています。
各小型船の目的地は同じですが、それぞれに独自の役割があり、自ら計画と実行を繰り返しながら、互いに協力して、船を前へ進めていくのです。
業務効率だけを追うのであれば、大勢で仕事を分担する「大型船」の方が適しているのかもしれません。しかし、主体的に仕事を進められるやりがいや、現場の声を即座に反映した業務改善など、実質的な成長スピードにおいては「船団型」が極めて効果的だと私は考えています。

▼今後、会社で実現したいこと
ディライトの一番の強みは、一人ひとりが内発的動機付けで自ら判断して動く、この組織体制にあると確信しています。
メンバーそれぞれが自らの意欲や興味を起点に行動するため、自然と個人の成長が加速し、ひいては会社の成長にもつながっていきます。個々の力が強いからこそ、お客様が求める以上の価値を発揮し、新たな事業展開を進めることができたのだと自負しています。
しかし、私たちの組織づくりはまだ道半ばです。
役職や階層(ヒエラルキー)にとらわれず、一人ひとりが対等な立場で意思決定できる「ティール組織」を目指し、さらに強固な基盤を築いていきたいと考えています。
個々の力をさらに高めることで、結果として事業の幅や領域も広がっていく未来を描いています。私たちは現在の事業を大切にしながら、お客様の様々な「困った」を解決できる会社を目指しているのです。
「何があっても、ディライトが解決してくれる」
皆さまから、さらに信頼していただける存在になれるよう、私たちは自らを高め、成長し続けていきます。
▼さいごに
私は葬儀業界以外を知りませんが、この業界は非常に魅力的で挑戦しがいがあると感じています。
他の業界に比べてまだ遅れている部分があり、他業界の先行事例を取り入れる「タイムマシン経営」のようなアプローチも可能です。さらに近年、業界内の世代交代や消費者の意識の変化も急速に進み、テクノロジーの進化も相まって、業界全体が大きく変わりつつあります。時代の転換期というまたとない機会に、ビジネスに挑戦できる醍醐味があるのです。
私が最期を迎える際には、葬儀の形式にはこだわらず「楽しい人生だった」と思いながら、その時を迎えられたらと考えています。
人生で関わった方々に、「新しい視点を教わった」「刺激をもらった」と感じてもらえるような、面白い人間であり続けたいと思います。
ディライトは、これからも「喜ばせ、喜ぶ、ぶっちきりで!」を追求し、進化し続ける組織力を武器に、社会に新たな価値を生み出していきます。
