
はじめまして。
株式会社日本トリムの代表取締役社長を務める田原周夫です。
日本トリムは、管理医療機器である「電解水素水整水器」の製造・販売を主軸とした事業を展開しています。
1982年の創業以来、社会に先駆けて水が持つ機能に着目し、長年にわたって「電解水素水」の研究・開発を重ねてきました。現在では、飲用だけでなく医療や農業など様々な分野へと展開を広げています。
また、グループ会社では民間さい帯血バンクをはじめとする先進医療事業も手掛けており、グループ全体でグローバルなメディカルカンパニーを目指しています。
この記事では、創業者であり代表取締役会長兼CEOの森澤紳勝の傍らで経営の中枢を歩んできた私が、これまでの歩みと事業への熱い想い、そして日本トリムが考える「水」の無限の可能性について、お話しさせていただきます。
▼父の背中を追い目指した法曹の道。挫折からの新たなスタート
私のこれまでの歩みを振り返ると、最初から明確な志を持ってこの業界に飛び込んだわけではありませんでした。
実は私の父は、最高裁判事を務めたこともある弁護士でした。父の背中を見て育った私は、かつては父と同じ法曹の道を目指していました。
しかし、何度か司法試験に挑戦したものの、その苦労が報われることはありませんでした。
そして30歳、司法試験に失敗したことを機に、私は法の道を諦める決断に至りました。
周囲よりスタートが遅れてしまった私は、「どこか働き先はないでしょうか」と父に頭を下げて頼み込んだのです。当時、日本トリムの顧問弁護士を務めていた父が、社長だった森澤と会う機会をつくってくれました。
▼創業者・森澤との出会い:その魅力に惚れ込み、日本トリムへ
恥ずかしい限りですが、当時の私は深い考えもないただの若者でした。当然、「水」に関する知識など何もありません。
そんな私に向かって、森澤は「君、夢はあるか?」と問いかけてくれたのです。
日本トリムを創業し、一代で上場を成し遂げた経営者ならではの、オーラのようなものを感じたのを記憶しています。
話をする中で、会社トップとしての情熱的で厳格な一面と、包容力があり優しい一面を併せ持つ森澤に、いつの間にか心を掴まれていました。
「君、夢は持たないと駄目だぞ」
森澤は様々な話を熱く語ってくれました。私は森澤の人間性に惚れ込み、「この人の傍で働きたい」と心から思ったのです。
これを起点に、私は日本トリムへ入社することになりました。
入社後は管理部門で経験を積み、1年も経たないうちに森澤に近い「経営企画部」で仕事をさせてもらうようになりました。その後20年以上、森澤と共に経営の中枢で、数々の局面に向き合い、多岐にわたる経験を重ねてきました。
そして、2022年6月に代表取締役社長に就任したのです。
▼たかが「水」、されど「水」:「水」の持つ可能性を追求する
森澤の魅力に惹かれて入社した私ですが、水の効果や様々な研究について深く知るたびに、私自身も「水」の奥深さと面白さに夢中になっていきました。
普通の水を「電解水素水」に変えるだけで、目に見える効果が現れ、その違いを裏付ける科学的なデータを何度も目にしてきたのです。
お客様からも、「健診の数値が良くなりました」「肌の状態が改善しました」とその効果を実感する嬉しいお声をいただきました。
しかし、20数年前の日本では、水は「ただの水」であり、水道から無料で飲めるものという認識がまだ一般的でした。ですから、当時は「効果のある水」というだけで、奇異の目で見られ、悔しい思いをしたこともありました。
それでも、私たちが目の当たりにしてきた「水」の効果は本物でした。
日本トリムは創業から、この「水」を社会に広めていきたいと、「水の可能性」を世界に先駆けて追求してきました。また、事業として存続するためにも、科学的な裏付けが必要だと、早期から産学官共同研究を進めてきました。
やがて、測定や分析の技術が発展したことで、今までは評価が難しかったものが科学的に検証できるようになりました。分子レベルでの解析が可能になり、様々な有用性が明らかにされました。
私たちが信じて進んできた道は、決して間違いではなかったと改めて確信することができたのです。

▼市場を牽引する「家庭用電解水素水整水器」の強みの源泉
私たちは現在、電解水素水をベースとした「ウォーターヘルスケア事業」と電解水透析や先進医療分野といった「医療関連事業」の2つの軸を展開しています。
当社が推進しているのは、毎日飲む水の質を変えることが健康の維持や増進に繋がるという『ウォーターヘルスケアという、新習慣。』です。
その中核を担う主力製品が、「家庭用電解水素水整水器」です。整水器は、医薬品医療機器等法(旧薬事法)において「管理医療機器」に規定され、胃腸症状改善の効果が認められています。
よく混同されがちな浄水器は、フィルターを通して残留塩素や不純物などを除去し、より安全でおいしい水を生成する機器です。最近では有機フッ素化合物(PFAS)の除去・低減に対応しているタイプもあります。
一方で「整水器」は、その浄化された水をさらに電気分解し、アルカリ性の水素を含んだ「電解水素水」を生成します。「より安全でおいしい」に加えて、「医療効果のある」水をつくり出すことができるのです。この水には豊富な水素が含まれており、私たちはそのさらなる可能性を追求すべく、研究を重ねています。
現在、日本トリムは整水器の国内市場においてトップシェアを誇っています。
その背景にある強みの一つは、企画・開発から製造、販売、取り付け、そしてアフターフォローまでを一貫して行う体制です。当社の整水器は、すべて高知県の自社工場で製造しており、医療機器の国際的な品質マネジメント規格である「ISO13485」や品質管理の国際規格である「ISO9001」を取得し、厳しい基準をクリアした製品だけをお届けしています。ご購入後も、カートリッジの交換時期のお知らせや最新情報の発信など、お客様に長きにわたって安心して使っていただける体制を整えています。
また、技術面における優位性もあります。通常、電気分解を強く行うほど水素濃度は高くなりますが、同時にアルカリ性も強くなってしまうため、その濃度には一定の上限がありました。この問題を解決したのが、当社の技術「固体高分子膜ハイブリッドダブル電解システム」です。これにより、アルカリ性を必要以上に高めることなく、高い水素濃度を維持した電解水素水の生成を実現しました。
こうした一貫したサポート体制や製品力が、多くのお客様に選ばれ続けている理由であると自負しています。
▼「電解水素水」を農業分野へ ——農作物の高品質化や効率化に貢献
私たちはこの技術を農業にも応用しています。電解水素水を農作物の栽培に活用することで、作物の高品質化や、収穫量の増加といった効果が期待できるのです。
現在、自治体や大学などと連携し実証を進めながら、「農業用整水器」の普及を推進しています。
多岐にわたる検証を進めている段階ですが、すでに再現性の高い成果が数多く生まれています。
例えば、滋賀県でメロン栽培に電解水素水を導入されている生産者の方がいらっしゃいます。その農園では、通常よりも一回り以上大きく、糖度も数度高いメロンが定期的に収穫できるようになりました。毎年限定販売を行っていますが、瞬く間に売り切れてしまうほどの人気を博しています。
さらに、工業分野や畜産分野などへの応用も進めています。私たちの技術でさまざまな産業に貢献できないか、日々研究と検証を重ねています。
▼「電解水透析®」がもたらす価値 ——QOL向上やウェルビーイングの実現に貢献
そして、日本トリムは新たな事業の軸として医療関連事業にも力を入れています。
その中で重要事業のひとつが、電解水素水を医療に応用した「電解水透析」です。これは、水の電気分解によって生じる水素を含んだ透析用水を利用して行う透析療法です。固体高分子膜を使用した電気分解を行うため、水質を中性に保ちながら水素を含有する透析液が使用できるのです。
糖尿病の進行や長年の高血圧などで腎不全になると、体内の老廃物や有害物質を十分に排出できなくなります。その働きを失った腎臓の代わりをする治療が、「人工透析」です。
通常透析を受ける患者さんは、一般的に週3回、1回4~5時間という時間を費やします。さらに治療後には、重い倦怠感や血圧低下、全身の痒みなどに悩まされる方も少なくはありません。
しかし、この「電解水透析」を導入したところ、そうした諸症状の緩和がいくつも観察されたのです。患者さんからは、「治療後にも動けるので、仕事に戻れるようになった」「変わらず調子がいいので、予定を入れられる」といった、嬉しいお声をいただいています。
こうした患者さんのQOL(生活の質)向上やウェルビーイングの実現が期待される新たな治療法なのです。
さらには、東北大学との5年間にわたる予後調査の結果、電解水透析によって透析患者の死亡率と心脳血管病の発生リスクが41%抑制されるというデータも得られました。この結果を受け、電解水透析にさらなる注目が集まっています。
私たちの挑戦はこれだけにとどまりません。
先進医療の分野として、グループ企業の株式会社ステムセル研究所を通じた再生医療・細胞治療への取り組みも進めています。同社は民間さい帯血バンクのパイオニアとしてさい帯血由来の幹細胞を長期保管するサービスや研究開発を行っています。
その他、ストレックス株式会社での医薬研究用機器の開発・製造など、未来に向けて多彩な医療事業を展開しています。
日本トリムグループは、ウォーターヘルスケア事業をベースに、医療関連事業にも注力し、世界に羽ばたくメディカルカンパニーを目指してこれからも挑戦を続けてまいります。

▼今後、会社で実現したいこと
私たちの主力製品である「家庭用電解水素水整水器」のさらなる普及と、医療関連事業の拡大を目指しています。
国内の整水器市場ではトップシェアを持つ当社ですが、「整水器」自体の認知や各家庭への普及率は、世間一般で見ればまだまだ十分とは言えません。私たちとしては、「一家に一台」という存在にまで広めていきたいという強い想いがあります。
毎日飲む水の質を変えるだけで、健康の維持や増進に繋がるという考え「ウォーターヘルスケア」は、誰もが無理なく、そして長く続けられる習慣だと私たちは考えています。健やかな社会の実現に貢献するためにも、これからも様々なエビデンスや価値を発信し続け、整水器の認知と普及拡大に全力を注いでまいります。
また、医療関連事業においては、「電解水透析」のさらなる導入拡大に注力しています。
この医療への応用技術は、1995年に創業者の森澤が台湾大学を訪れた際、電解水素水に活性酸素を抑制する働き(抗酸化作用)があると判明したことを起点に始まった、30年近くにおよぶ電解水素水研究の結晶です。
この電解水透析システムは、現在国内で37施設(2026年6月現在)に導入されており、さらなる拡大を進めています。当社の重要事業であることはもちろんですが、「電解水透析」の普及は、何よりも治療を続けられている患者さんにとって大きな価値をもたらすと確信しています。
さらに、グローバルなメディカルカンパニーとしての飛躍を目指して、先進医療分野の拡大や海外市場への挑戦も、今まさに力強く推し進めているところです。
▼さいごに
森澤の人間性に惹かれて入社した私は、いつしか「水」の持つ可能性に夢中になり、気付けば20年以上の歳月が経っていました。
2022年6月に代表取締役社長に就任してからは、代表取締役会長兼CEOである森澤の方針のもと、経営の執行を担っています。森澤が大事にしてきた想いと覚悟を間近で受け継ぎながら、これまで築き上げたものを基盤とし、さらなる飛躍へと繋げていきたいと考えています。
私はこれまで森澤から、あらゆることを教えてもらいました。その数ある教えの中で、私が最も大切にしている信条があります。
「夢は必ず実現する」
これは、「I hope」ではなく、「I do」でなくてはいけないのです。
「実現させたい」という程度での想いではなく、「断固としてやり抜く覚悟を持ち、何が何でも実現させる」という確固たる信念があってこそ、道は拓けるのです。
森澤はこれを自身の座右の銘とし、これまでの歩みの中で体現してきました。
私もこの信念を受け継ぎ、人間にとって最適な「水」の可能性を追求し続けることで、「快適で健康なヒューマンライフの創造」に貢献し、グローバルなメディカルカンパニーへの飛躍を果たしてまいります。
