
はじめまして。
株式会社UPFの代表取締役を務める仲手川啓です。
UPFは、ISMSやプライバシーマーク(Pマーク)、各種ISO認証などの情報セキュリティマネジメントシステム分野における認証の取得・運用を支援する伴走型コンサルティング会社です。認証取得だけでなく、社内規程作成や教育、運用まで実務面をサポートし、企業の信頼性向上とリスクマネジメント対策を支援しています。
5,500社以上(2026年8月現在)の支援実績を持ち、近年はTISAX、ISMAPやAIMS(ISO/IEC 42001)など新しい認証・規格の支援も対応しています。
今回お伝えするのは、データベースマーケティング支援の会社からスタートした私たちが、情報セキュリティマネジメントシステム認証分野へと事業ピボットをした背景と、根底にある「正しさ」と「責任」へのこだわりです。さらに、仕組み化の哲学や未来への展望を含め、私が歩んできた道のりをお話しします。
▼本業の付加価値サービスとして始めたPマーク取得支援
私のキャリアのスタートは、ある通信系会社での営業の仕事でした。非常にエネルギッシュな環境で、「将来は起業したい」「稼ぎたい」という同世代のメンバーが大勢いました。当初、私自身は「起業」への想いはさほどありませんでしたが、情熱的な仲間に囲まれて仕事をする中で、大きな影響を受けたのです。
「私も起業して社長になりたい」
その環境下で自然とそう考えるようになりました。
そして2005年、DM発送代行をメインとしたデータベースマーケティング支援事業で起業しました。
ニッチな市場の通販会社にターゲットを絞ると、その狙いも当たり、売上は順調に推移しましたが、日々競合他社との価格競争に苦しんでおりました。私たち以外の競合は社歴も長い実績豊富な会社や大手の大資本が多く、何とか強みや差別化を見出すため、とにかく目の前のお客様のニーズやお困りごとを伺い、試行錯誤を重ねる日々でした。
こうしてお客様の声に耳を傾け続けるうちに、企業が抱える様々な課題が見えてきたのです。
当時は個人情報保護法施行の影響もあり、Pマークを取得する企業の数が急増していました。DM発送代行を担う私たちのような会社はもちろん、依頼元である顧客企業もこぞって取得、取得後の運用・更新に動いていました。
そして、私たちも自社での取得や運用を通して、この業務に掛かる膨大な負担と手間の大きさを痛感しました。しかも、社内の誰もが担当できる業務ではなく、一定の知識や責任感を持つ人材を担当に置かなければなりませんでした。
それは、本業と直接関連がないにもかかわらず、優秀な人材を割き、多くの労力を必要とするいわゆる「面倒でやっかいな業務」だったのです。
私たちは、お客様もそうした業務に課題を感じていると考えました。
そして、DM発送をご依頼いただけるお客様への付加価値サービスとして、お客様企業のPマーク認証取得から運用、更新までをまるごと低価格で承るサービスをスタートしました。
予想通り、当時のお客様には大変喜ばれ、口コミだけで依頼も次第に増えていきました。
ただ当時の私たちは、あくまで「Pマーク認証取得支援もしてくれるDM発送代行会社」という立ち位置で、認証支援は付加価値程度に過ぎませんでした。
▼本質的な課題解決を求めて――Pマーク・ISO認証取得の意義
認証取得支援に携わる中で、今度は、認証を取得した企業から、マネジメントシステムをその後も適切に運用していくための継続的な支援を求められることが多くなりました。そして私たちは、これこそが限定的なサポートを超えた、お客様の「本質的な課題解決」につながる仕事だと考えるようになっていったのです。
また、他社の支援を受けていた企業から、当社に切り替えたいというご相談をいただく機会も増えていきました。
「自分たちの向き合い方は間違っていないのかもしれない」
少しずつ、そう思えるようになりました。
Pマーク制度やISO規格は、企業が安全に経営をする上で最低基準として守るべきルールのようなものです。
これをベースに社内ルールを整備・強化し、社員教育と定着を進めながら、PDCAを回して改善を続けることで、多くのリスクを未然に防ぐことができます。さらに、定期的な第三者審査という仕組みがあるため、適切に運用されていれば、重大な事故が起こる確率は大きく下がります。
社内に強固な仕組みを構築することは、その姿勢を対外的に示すことになり、結果的にそれが信用につながります。
これが、企業の健全な運営や事業成長につながる「本質的な価値」になる。
そう心から感じ、こうした仕組みをもっと多くの企業に広めていきたいと思ったのです。
一方で、当時の認証取得支援ビジネスは「本質的な課題解決」をできていたかというと、応えきれていない面もあったように思います。
制度設計や取得サポートは行っていましたが、書類作成をはじめとする負荷の高い実務を担ってくれなかったり、専門家としての相談・助言対応しか行っていない会社もありました。
「お客様の『本当の期待』には応えられていないのではないか」
自戒も込めてそう感じていました。
そこで私たちは、お客様の本質的な課題を解決できるよう、認証取得支援サービスのスタイルを変えていきました。実績を積み重ねるほど、多様なケースへの知見が蓄積され、さらに効率的な支援ができるようになりました。それに伴い、クオリティを担保したまま、お客様がより利用しやすいサービス料金の設定も可能になったのです。
▼【2011年の決断】情報セキュリティ分野特化の認証取得コンサルへのピボット
一つひとつお客様の課題に真摯に向き合う中で、引き合いやご紹介が増え、気づけばメイン事業であるDM発送代行以上に、Pマーク認証取得支援でのご紹介やご相談が多くなっていました。
件数を重ねるにつれてノウハウも蓄積され、より正確に、効率よく、そして手の届きやすい価格でご支援できるようになっていきました。
認証取得に関わる煩雑で負荷の高い業務を、私たちのような会社に任せることで、企業は本来向き合うべき事業成長へ集中できるようになります。そのうえで、ともに課題解決を目指す頼れるパートナーになることが、お客様の強固な組織づくりのために、果たすべき私たちの役割だと考えています。
そして2011年、私たちは事業を全面的にピボットし、「DM発送代行会社」から「認証取得支援コンサルティング会社」へと生まれ変わったのです。
また、Pマーク、ISMSをはじめとする各種情報セキュリティ、ISO認証の取得支援に特化しました。
この分野を突き詰めた先にこそ、お客様にとっての「本物の価値」がある――。
そう信じて、私たちの新たな挑戦が始まったのです。

▼情報セキュリティ分野のパートナー:地道に歩んで、辿り着いた業界トップシェア
そして現在、UPFはPマーク・ISMS新規取得支援において、業界トップシェアを担うまでに成長しました。
さらに、TISAX(ドイツ自動車工業会の情報セキュリティ要求に基づく評価・情報交換の仕組み)や、ISMAP(政府情報システムのためのセキュリティ評価制度)など、より専門性の高いセキュリティ要件にも対応しています。
大手企業からベンチャー企業まで、幅広い業種・業態の方にご利用いただき、おかげさまで現在は5,500社を超える企業(2026年8月現在)にサービスを提供するに至りました。
各種認証制度への対応を通じて、企業は事故やリスクを未然に防ぎ、万が一の被害も最小限に抑える「セキュリティの仕組み」を社内に構築できます。堅牢な体制を整えることで、取引先の信頼を得られ、それが円滑な事業運営と成長につながっていくのです。
私たちUPFは、お客様の本質的な課題を理解し、責任を持ってその解決に向けて伴走します。また、認証取得に関わる煩わしい実務を私たちが担うことで、お客様は事業成長に集中しながら、認証によって得られる効果を受け取っていただけます。
この業界は、関連制度の導入といった大きなニュースで一時的に依頼が増えることはあっても、一気に事業を拡大できるような急激な波があるわけではありません。
だからこそ、私たちが多くの企業の認証支援に携わらせていただくまでには、お客様との信頼を一つひとつ愚直に積み重ねてきた地道な道のりがありました。新規取得や更新時はもちろん、日々のご相談やトラブル対応など、常にお客様に寄り添い、課題解決に奔走してきた結果です。
近年では、エンタープライズ企業からも新たなお取引を始めるケースが増えています。私たちが「正しさ」と「責任」を胸に、お客様と向き合い続けてきた姿勢をご評価いただけたのだと受け止めています。
創業当時からお取引いただいている企業様も非常に多く、これからも「情報セキュリティ分野のパートナー」として、サービスを磨きながら末永くお客様の課題解決に貢献してまいります。
▼UPFの強み:徹底した伴走支援と新制度への迅速な取り組み
私たちUPFの支援の特徴の一つは、徹底した「伴走型」のスタイルです。
支援方法には、集合研修型やアドバイザリー型など様々ありますが、私たちが辿り着いたのがこの「伴走型」でした。多岐にわたる支援を重ねる中で、自らこのスタイルへと進化を遂げてきたのです。
ヒアリングをもとに書類作成などの実務は私たちが担いますが、その趣旨や内容をお客様にご理解いただくためのレクチャーも行っております。外部への丸投げではなく、社内に仕組みや知見が蓄積されるこのスタイルこそ、お客様にとって最も有益な方法だと考えています。
さらに、業界スタンダードでは1社1人体制のところ、UPFでは1社3名体制で支援を行っているのも強みです。これは必要性を痛感し、辿り着いた体制です。担当が1人だけでは、どうしてもレスポンスの遅れや、作業の停滞が生じてしまうことがあります。チームでフォローし合える体制を組むことで、より迅速で円滑にお客様のプロジェクトを進行できるのです。
また、一定水準以上の高品質なサービスを実現するため、社員同士で知見を随時共有し、スキルを高める社内勉強会を毎週開催しています。それ以外にも社員教育には非常に力を入れており、各種認証に関するルール作成から運用・改善にまつわる最新情報をキャッチアップする勉強会も、連日様々な部署やチームで実施されています。個人に依存するのではなく、属人化を防ぎ会社全体としてノウハウや経験を蓄積する仕組みがあるからこそ、誰が担当しても品質の高いサービスを提供できるのです。
私たちのもう一つの強みは、新たな認証・評価制度の支援にも、いち早く対応している点です。
AIマネジメントシステムの国際規格である「AIMS(ISO/IEC 42001)」や、サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度である「SCS評価制度」に対する対策支援サービスもすでに始めています。
既存のサービスはもとより、情報セキュリティ分野の最先端にも迅速に対応し、お客様の課題解決に貢献し続けていきます。
▼ニッチトップを目指すからこそ、実現できる大きな価値
こうした高品質かつリーズナブルな価格でサービスを提供できるのは、私たちが一貫して情報セキュリティ分野のマネジメントシステムに徹底的に特化しているからです。
起業当初から、私はランチェスター戦略の考え方を取り入れ、特定の分野に経営資源を集中させ、その中でのニッチトップを目指していました。
そして地道に事業成長を続け、今ではおかげ様でPマーク・ISMS新規取得支援で業界トップシェアを取ることができました。今後もこのスタンスと目標を変えるつもりはありません。
シェアを取ることで知見が厚くなり、お客様に返せるものが大きくなる――。
だからこそ、私たちがシェアを取っていく責任があると考えています。
情報セキュリティ分野に特化したことでサービスの体系化が進み、社内でもより深い教育が可能になりました。
業界内では、一人でお客様を担当できるようになるまで1~2年はかかると言われています。センシティブな情報を扱う責任の大きい仕事なので、それは当然のことです。
そのうえで私たちは、もう少し早い段階で担当を持てるよう教育体制を整えてきました。これはニッチな分野に特化しているからこその強みです。
一気通貫ですべてのフェーズを担当する現場もありますが、基本的にはフェーズ毎に担当を分ける体制を採用しています。役割を細分化することで、狭く深い教育が可能となり、早期の現場デビューと専門知見の深化を両立できます。その結果、お客様へさらに正確で高品質なサービスを提供できるのです。
一人ひとりが担当領域の知見を深め、そのノウハウが会社全体に蓄積され、結果として、お客様により効率的で高品質なサービスを提供できる――。
この地道な循環を繰り返し、UPFは日々強固な組織に成長しているのです。
▼強固な組織を支える徹底した「仕組み」の文化
私たちが取得支援している認証制度もその一つですが、ビジネスにおいてこうした「仕組み」を構築することが非常に重要だと私は考えています。
仕組みさえあれば、日々の業務の中でミスやエラーに早期に気づき、すぐに対処できるからです。
もともと私自身に少しうっかりした面があるからかもしれませんが、「ミスやエラーが起きない仕組み」や、「起きたとしても重大な事故に至らせない仕組み」を常に考えています。
決して性悪説を支持しているのではなく、人間である以上、誰にでも多かれ少なかれ悪意なくミスは起こり得るものだと思っています。だからこそ、個人に責任を負わせるのではなく、仕組みによって未然に防ぎ、改善していく方がはるかに効果的だと考えるのです。
私たちの社内運用においても、様々なチェック機能や確認フローを導入しています。
非常に多くの仕組みを整えている私たちでさえ、時には小さなミスなどが発生することもあります。1件の重大な事故の背景には、29件の軽微なトラブルと、300件のヒヤリハットが存在するという「ハインリッヒの法則」。この考え方が社内文化として深く浸透しています。
仕組みによってミスを早期に検知し、改善のためのPDCAを回し続ける。
組織に根付いているこの文化も、お客様に提供するサービスの質を裏から支える大きな力となっているのだと感じています。
▼今後、会社で実現したいこと
Pマーク・ISMS・TISAX・各種ISO分野においては、既存のお客様へのサポートを手厚く継続しながら、さらにシェアを拡大していきたいと考えています。
さらに、「AIMS(ISO/IEC 42001)」や「SCS評価制度」においても、コンサルティング会社として、お客様から真っ先に思い浮かべていただける存在を目指しています。
UPFでは、今年新たに「AIマネジメント支援課」を新設しました。
AIMS認証取得支援サービスの提供開始以来、非常に多くのお客様からご相談・ご依頼をいただいたため、専門部署の設置に至ったのです。
AIマネジメント支援課では、AIMS認証取得支援はもちろん、社内のAIガイドライン策定支援も手掛けています。国際基準のISOおよびIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)のAI事業者ガイドラインを参照基準としながら、お客様それぞれの実態に即した実践的な指針を構築しています。
もちろん、これらは一度作って終わりではありません。ClaudeやChatGPTをはじめとする生成AI技術は日々進化し、次々と新機能が実装されます。それに合わせて、社内規程もアップデートし続けなければならないのです。
AIMS認証取得やAIガイドラインの策定への取り組みは、社会全体でさらに拡大していく段階にあると感じています。私たち自身も日々進化を続け、より一層お客様の課題解決に貢献できるよう、全力を尽くしてまいります。
また、経済産業省が推進する「SCS評価制度」についての対応も始めています。
今年度末頃と見込まれる制度開始を見据え、すでに既存のお客様とともに早期に準備を進めています。
この新たな2つの分野においても、私たちは、ひたすら正しく愚直にお客様と向き合い、信頼を一つひとつ積み重ねていきます。その結果として、「AIMS、SCS評価制度と言えばUPF」と名前を挙げていただけるような企業でありたいと思うのです。
そしてその先には、UPFという存在自体が「信頼の基準」となるような世界を目指してまいります。
▼さいごに
今期のスタートにあたり、私たちはパーパスをはじめ、企業理念を一新しました。
正しさと責任が、組織の価値になる社会へ――。
これが私たちUPFの掲げるパーパスです。
以前から社内で伝え続けてきた考えですが、今後のさらなる飛躍に向けて明確な言葉として再定義しました。
組織として、責任を持って地道に正しいことを続けていくことが、非常に重要だと私は信じています。一見すると簡単なことのように思えますが、変化の激しいビジネスの現場で、いかなるときも「正しさと責任」を貫き続けることは決して容易ではありません。私たち自身、まだ道半ばです。
だからこそ、「正しく在ること・責任を引き受けること」が価値であり、それを実践する企業が正当に評価される。
そんな社会であってほしいと願っています。
私たちは、そうした社会の実現を目指し、正しさと責任を持ってこれからも愚直に歩みを続けていきます。
私個人の哲学として、生涯「筋を通した生き方」を貫いていきたいという想いがあります。
自分の言動に責任を持ち、人に対して誠実であること。
それが私の考える筋の通し方です。
当然、私も一人の人間ですから、時には自分の弱さと向き合い、葛藤することもあります。それでも私個人として、そして経営者として、誇れる生き方を貫き通したいのです。
UPFはこれからも、正しさと責任を持つ組織が正当に評価される社会の実現に向けて、一歩一歩着実に歩みを進めてまいります。
