2026-09-10

【ファインバブルがつなぐ絆】「ミライ人間洗濯機」への挑戦と、さらなる感動と喜びの創造へ

株式会社サイエンス / 代表取締役副社長 / 平江 真輝
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大阪府

「邪魔者」だった気泡を技術の核へ――サイエンスと出会い「ミラブル」誕生に至るまでの軌跡

はじめまして。
株式会社サイエンスの代表取締役副社長を務める平江真輝です。

サイエンスは、ファインバブル技術を核に、人々の健康や環境に貢献する製品を開発・販売しています。革新的なシャワーヘッド「ミラブル」シリーズは、お客様の目に留まり、これまで「すすぐ」ためだけだったシャワーの、その水流自体に洗浄力を持たせ、新しい価値を生みだしたことで大ヒットを記録しました。
近年では、その高い技術力を家庭用にとどまらず、医療・介護・農業など、様々な産業分野へも応用展開しています。
独自のファインバブル技術「ミラブルテクノロジー」を通じて、人々の暮らしをより豊かで快適にすることを目指している企業です。

今でこそ「ファインバブルの会社」として広く知っていただけるようになりましたが、ここに至るまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。
その技術の原点にあるのは、前職の造船関連業界で「邪魔者」とされていた気泡の常識をひっくり返した「逆転の発想」でした。それがいかにして大ヒット商品「ミラブル」を生み出し、そして大阪・関西万博で世界を驚かせた「ミライ人間洗濯機」へとつながっていったのか。私の歩みとともに、その道のりをお話ししていきます。

▼「気泡をつくらせない」技術から「活用する」技術へ
大学時代に遡りますと、私は琉球大学工学部環境建設工学科で環境工学を学んでいました。環境工学とは、人が室内・屋外で快適で健康に暮らせる環境をつくるとともに、地球環境への影響を減らすための技術や仕組みを学ぶ学問です。私はそこで、空気や水など流体に関する分野「流体力学」を専攻し、卒業後は、専門分野を活かせる企業へと就職しました。

造船関連の会社で、私は水産試験場の実験設備、公共温浴施設の流水バスやマシーンなど、水流を使った多様な装置の開発に携わっていました。
船のスクリュー技術がベースとなっていたため、当時は流体力学上、泡が「敵」「邪魔者」とされ、「気泡」を発生させない“きれいな”水流をつくることが原則とされていたのです。
「気泡を発生させない仕組み」を熟知していたからこそ、裏を返せば「発生させる仕組み」についても精通していました。ある時、私はこの「気泡」を細かくすると、洗浄効果が高くなることに気づき、「気泡」をメリットとして活用する研究を始め、温浴施設のマイクロバブル風呂などの製品開発に応用しました。これがのちのサイエンスの核となる技術につながっていったのです。

私自身、「気泡」を活かした開発を進める中で、ある悩みがありました。公共投資の動向に左右されず、モノ自体の価値で勝負ができる家庭用製品を手掛けたいと開発を始めていたのですが、それをどう売っていったらいいのかと思案していたのです。

▼サイエンス創業者との出会い。そして認められたファインバブルの価値
悩んでいた時期に出会ったのが、サイエンスの創業者であり現在の代表取締役会長である青山恭明でした。青山も「気泡」の技術に着目しており、精通する技術者を探していました。お互いが求める技術力と営業力を補完し合える関係であることに意気投合し、私はサイエンスとともにファインバブル技術を追求することを決意したのです。

サイエンスに参画し、「ミラバス」の原型ともなる家庭用の「マイクロバブル入浴装置」を発売しました。前職の経験から、公共温浴施設でもバブルができるお風呂は人気のアイテムだったので、家庭用も「ヒットするだろう」と楽観視していました。
しかし、発売当初は予想に反してまったく売れませんでした。当時は「気泡」や「水流」の技術の凄さがなかなか理解されない時代で、世間の目には「怪しい」と映ってしまったのでした。

そんな苦境の中で、私たちの価値を見出してくれた企業が、現在もお付き合いのある不動産総合デベロッパーの「タカラレーベン」でした。
私たちが手掛けていた、家の水の供給源に浄活水装置を取り付ける「サイエンスウォーターセキュリティ」に加えて、この「マイクロバブル入浴装置」、これらが「付加価値になる」と、同社グループが手掛けるマンションの標準装備として採用されたのです。この出会いをきっかけに、サイエンス製品の価値が高まっていきました。ご縁に応えるためにも、私たちは全力を尽くしました。
その後も、サイエンスの価値やコンセプトをご理解いただいたパートナー様とのつながりを大切にしていくうちに、一歩一歩、会社も成長していったのです。

▼転機となった「ミラブル」の誕生:サイエンス製品の根底にある想いとは
サイエンス創業のきっかけは、会長・青山の娘さんが重度の肌疾患を患っていたことでした。その苦しみから救ってくれた浄水システムを広め、より多くの人を救いたいと、事業を興したのが始まりでした。
ですから、サイエンスの事業の根幹には、「全ての人々に感動と喜びを与え続ける」という確固たる信念があります。開発した製品にも、肌に優しい設計で、人々の健康や幸せを願うという想いが込められているのです。

私たちは堅実な歩みを進めていましたが、転機となったのは、大ヒットとなったシャワーヘッド「ミラブル」の誕生でした。
マイクロバブルを活用した入浴設備は好評でしたが、「顔や髪にもバブルの効果を行き渡らせたい」という数多くのお声に応えるために、シャワーヘッドを開発することになったのです。
2017年6月に、「ファインバブル」がISO規格で定義されたことも追い風となりました。
ファインバブルとは、直径が100μm(=0.1mm)より小さな気泡のことで、気泡の大きさが100μm~1μmのものをマイクロバブル、1μm未満のものをウルトラファインバブルと言います。マイクロバブルはごく小さな気泡として目にすることができるのですが、ウルトラファインバブルは肉眼では見えません。しかし、水中に長時間留まることができます。

ミラブル誕生に至るまでには、多くの苦労と失敗がありました。ウルトラファインバブルは肉眼で見えないので、開発段階でそれをどう評価し商品化につなげるかということには、非常に苦心しました。

ようやく年月を経て2018年、ウルトラファインバブルを含む水流で毛穴まで洗浄し、角質層まで潤いを届けるシャワーヘッド「ミラブル」が完成したのです。
洗浄効率を高めるために、高速うず流でウルトラファインバブルを生成し、外気を巻き込みながら吐出させる当社の特許技術「トルネードミスト」を活用しています。
テレビCMなどの効果もあり、おかげさまでミラブルは爆発的な大ヒットとなりました。
何よりも嬉しいのは、ミラブルを使ったお客様から「肌がキレイになった」「お風呂の時間が楽しみ」など、喜びの声をたくさんいただいたことです。
私たちはファインバブル技術のパイオニアとして、現在も人々の健康と幸せに向けて挑戦を続けています。


過去と未来の「人間洗濯機」が織りなす、かけがえのない価値

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▼サイエンスの開発思想:「感動」を生み出すことへの徹底的なこだわり
サイエンスは、ファインバブル技術を核として、シャワーヘッドの「ミラブルシリーズ」、マイクロバブル入浴装置「ミラバス」などの、製品開発・販売を行っております。また、自社製品だけではなく、その独自技術を活かして、医療・農業・工業・環境など、様々な分野に技術協力や共同研究・開発を進めています。

私たちは自社製品を販売していますが、「モノ」を売っているのではなく、体験や感動などの「コト」を創出することに、徹底的にこだわっています。
その価値は、実際に商品を使っていただければご理解いただけると自負しております。
ファインバブルを生成させるための機構や水流の質にもこだわり、それが期待する効果を導き出せるのか何度も検証をした上で、本当にご満足いただけるものだけを商品にしています。ただ「気泡」が多いというだけのものではありません。
実際に、お客様に直接商品を使っていただくと、「本当に違いますね」と言ってくださるのですが、触れていただかないと価値が分かりづらいというのが悩ましいところでもあります。

開発段階においては、最大の効果を実現できる効率的な機構設計を最も重視しています。
私は日常的に、水の流れをイメージしながら、頭の中で様々なシミュレーションを行っています。常日頃から思い描くことで、ふとした会話の中で、突然最適な機構のアイデアが降ってくることがあるのです。実際に、ミラブルの開発でも、ある絵を見ていて突然ひらめいた機構がありました。

私たちサイエンスは、お客様にその効果をしっかりと実感していただき、ご納得いただけるものだけを提供しているという誇りを持っています。

▼新たな「人間洗濯機」の誕生:情熱が突き動かした大阪・関西万博への挑戦
私たちが地道な成長を続けていた頃、大阪に万博が誘致されるという構想が動き出しました。
その話を耳にした会長の青山や、1970年の大阪万博を経験している方たちの熱気には圧倒されるものがありました。
そして、かつて注目を浴びた「人間洗濯機」をサイエンスが進化させて出展しようと決定したのです。私は昔の万博を知りませんが、当時を経験した方々の熱意とエネルギーに触れるうちに、「絶対に成功させたい」という想いが強くなっていきました。

1970年の万博後、「人間洗濯機」は社会実装されなかったというのが、一般的な認識だと思いますが、私たちは既に「ミラバス」や「ミラブル」で実現できていると考えていました。それならば、この2025年の万博で進化した「人間洗濯機」を出して、誰もが認めるような、次世代に残る成果にしようと心を一つにしたのです。

大阪での開催が決まってからも、出展企業として選出されるかどうかはいくつものハードルがありました。手探りでその道を探る中で、「再び『人間洗濯機』が見られるなら」と、当時を知る人々からの後押しもありました。資金面での課題もありましたが、「ミラブル」ヒットの追い風もあり、何とか大阪ヘルスケアパビリオンの出展企業として選ばれることができたのです。

社内に専任チームを発足させ、1970年当時の「人間洗濯機」を担当したエンジニアとデザイナーの方にもご協力をいただきました。紆余曲折はありましたが、ついに55年の時を経て進化した「ミライ人間洗濯機」が完成したのです。

▼ココロもカラダも洗う「ミライ人間洗濯機」とは?
満を持して、「ミライ人間洗濯機」は体も心も洗える洗濯機として、 大阪・関西万博「大阪ヘルスケアパビリオン」で多くの来場者が注目する中、姿を現しました。連日最大300人もの長蛇の列ができるほど、大勢の方が待ち望んでくださったことに大変感動しました。

「大勢の来場者に見守られながらの水着入浴」という稀有な状況の中で、一般の方にも体験していただきました。体験を待つ方々は、それぞれが緊張している面持ちでした。

「ミライ人間洗濯機」は、白と黒を基調とした近未来的なカプセル形状で、ファインバブル技術とセンサー制御が搭載されています。
内部のシートに座り、ハッチが閉まると始まるのは、内部のスクリーンへの映像投影。
1分半ほどでマイクロバブルのお湯が張られ、同時に生体センサーで自律神経を解析します。その方の心理状態に適した映像や音楽が流れ、心を解きほぐしていきます。
同時進行で、ウルトラファインバブルのシャワーが自動で体を洗い、さらなる深い没入の世界へ引き込むのです。最後に、急速排水と全身乾燥が行われ、約15分で入浴体験が終了します。

ハッチが開かれるとともに、体験者は自身の体の重みを感じ、装置から出てきた姿は、まるで宇宙から帰還してきたかのようでした。
毎回、来場者からは歓声と「おかえりなさい」という声が上がりました。本人も “帰還”した宇宙飛行士のごとく、すっかりリラックスした様子で手を振って応えていました。

「ミライ人間洗濯機」は、体はもちろん「心も洗う」ことを1つのテーマにしていました。十分な成果データは出ていましたが、実際に一般の体験者が、こうして非常に満足してくださったことが私たちの何よりの喜びでもありました。

開幕前は賛否両論がありましたが、大阪・関西万博は大盛況のまま幕を閉じました。
「ミライ人間洗濯機」には連日予約が殺到し、大阪ヘルスケアパビリオンには目標来場者数の倍以上の500万人もの方が訪れてくれたのです。

▼「ミライ人間洗濯機」の社会実装を目指して
万博の成功のおかげもあり、サイエンスは「ミライ人間洗濯機」の会社として広く認知されるようになったと実感しています。
私たちは万博出展後の社会実装までを目指しておりましたので、「ミライ人間洗濯機」でつくり上げた機能を、介護現場など別の形に展開して実現させることを計画しておりました。
ですから、当初は近未来的なカプセル形状をそのまま展開することは想定していなかったのですが、「“あのミライ人間洗濯機”が欲しい」というご要望をたくさんいただき、シンボル的な存在として大阪をはじめ北海道、東京など全国で設置いただくようになりました。

さらには、万博を機に海外からの引き合いも多数いただき、まずはアメリカでの「ミライ人間洗濯機」の設置が決まったのです。
実はコロナ前に海外進出の話も浮上したのですが、世界的なパンデミックで白紙となりました。そのチャレンジが万博を経て、再び動き始めたのです。
ファインバブル技術は、日本でも当初「怪しい」と言われながらのスタートでした。そのハードルが海外では一層高いかもしれませんが、私たちには「習慣や文化を創り出す力がある」と強く信じています。
それぞれの地域に寄り添いながら、より人や環境に優しい新たな価値を創造することを目指していきます。


世界中に感動と喜びを届けるために ―ファインバブルの無限の可能性―

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▼今後、会社で実現したいこと
ファインバブルにはまだまだ多くの可能性が秘められています。ファインバブルの持つ2つの特徴が、多様な分野への応用を可能にし、新たな価値創出につながっていると感じています。
その1つの特徴が、「微細さ」です。マイクロバブルはぎりぎり見える程度、ウルトラファインバブルは肉眼では見えないほどの極小サイズです。だからこそ、対象物の奥まで入り込み、傷つけることなく汚れにアプローチすることができます。結果として薬剤なしでも高い洗浄力を実現することができ、それは衛生管理の指標となる「ATP試験」でも実証されています。

もう1つの特徴が、ファインバブルは大まかに言うと、「水と気体の混合技術」であるということです。
この混合技術自体は、様々な産業に活用されていますので、その一種であるファインバブルの活用先も多岐にわたる分野が想定できます。さらに当社は、水の動きをコントロールする技術にも強みを持っているので、ファインバブルの可能性をさらに広げることができるのです。
既に様々な産業での応用を進めており、工業用洗浄、飲食業での洗浄・節水、農業や水産業など、その効果が期待されています。
加えて、宇宙生活環境でも安全・衛生的に使えるシャワー「宇宙シャワー」の実現に向けて、有人宇宙システム株式会社との共同研究も行っています。

これからも、様々な分野の企業や研究機関との連携を通じて、既存技術・製品の性能向上に貢献するとともに、新たな価値創出にも挑戦してまいります。

また、応用の幅が広いからこそ、今まで培ってきた「全ての人々に感動と喜びを与え続ける」という軸を中心に据えて、今後も歩みを進めていきます。
「ミラバス」や「ミラブル」など、今ある価値をさらに広げるとともに、「ミライ人間洗濯機」への挑戦で得た「新たな価値」を活用し、幅広い分野で人々の幸せにつながる新たな市場を切り拓いていきます。

▼さいごに
大阪・関西万博の際に、ある来場者の方に言われた言葉が印象に残っています。
一般的に、介護現場での入浴はリフトを使用したり、体の洗浄がどうしても画一的になってしまいがちで、利用者にとっても介護者にとっても非常に体力的・精神的な負担が大きいものです。双方に重い負担がかかるため、どこか安全性や効率を最優先せざるを得ない、現場の切実な実情があると認識しています。
そんな中、そのご来場者は、「ミライ人間洗濯機」を見て「人の尊厳を守る技術ですね」という言葉を掛けてくれました。日々のケアで誰もが大切にしたいと願うその想いを支えられる技術だと感じてくださったのだと思います。
そんな会話はつゆ知らず、入浴体験者はリラックスした状態で体も心も洗い流され、すっかりリフレッシュした様子でした。

私たちはこの万博で培った技術をもとに、介護用の入浴装置「ミラブルアシストバス」を開発しました。介護が必要な方にも「自分でできることの中で快適に過ごしてもらいたい」と、介護者の負担軽減と利用者の快適性向上を両立する入浴装置が誕生しました。こちらが先日、初めて大阪の介護施設で導入されました。

その他にも、サイエンスの技術や商品からつながった絆が数多くあります。
お取引先の方からも、「外出できないくらい肌の状態がひどかったけれど、『ミラブル』に出会って気兼ねなく外出できるようになった」と嬉しいお言葉を聞いています。さらに、「サイエンスさんの仕事は何でもします」とまで言ってくれ、本当に感謝しかありません。

私たちが創り出したいのは、まさにこうした「人々の感動と喜び」です。
それを提供し続けることが私たちの「使命」です。もちろん会社の成長は重要ですが、「使命」を果たした先にのみ、私たちの成長発展があると考えています。
そして、その成長を人々の幸せにつながる新たな開発へと還元し、さらなる価値を生み出す好循環を築いていきたいのです。

私は「継続は力なり」という考え方を大切にしています。
一般的には、「小さなことも続ければ成功につながる」という意味かと思いますが、私は少し異なる角度から捉えています。私はこの言葉を、「全てのことが何かにつながっている」意味だと考えています。技術も、人とのご縁も、流れるようにずっとつながっていて、いつか本当の「力」になるのだと信じているのです。

サイエンスはこれからも、ファインバブル技術を活用し、関わる全ての人々に感動と喜びを届けるため、一歩一歩、挑戦を続けてまいります。

profile

氏名
平江 真輝
役職
代表取締役副社長

Introduction

企業名
株式会社サイエンス
所在地
大阪府大阪市淀川区西中島5丁目5番15号
事業内容
ファインバブル製品の製造・販売及びメンテナンス
セントラル型浄水装置の製造・販売及びメンテナンス
企業サイト
https://i-feel-science.com/
Blog
https://i-feel-science.com/mirabletimes/
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