
はじめまして。
株式会社エッジコネクションの代表取締役社長を務める大村康雄です。
エッジコネクションは、営業・人事・財務など企業の経営課題解決を伴走型で支援している企業です。正確な課題分析と実践的な解決策を強みとし、成果につながる仕組みづくりを重視しています。経営者、事業責任者のよきパートナーとして、持続的な成長と企業価値の向上に貢献しています。
▼2つの起業:学生ベンチャーと会社員を経て
私のキャリアのスタートは大学生時代に立ち上げた「学生ベンチャー」です。
慶應義塾大学在学中の2年次、外国人の友人がオックスフォード大学のMBAを取得していることを知りました。それから2人でビジネスの話題を頻繁に話すようになり、学生ベンチャーを立ち上げることになりました。当時はITバブルの終盤で、会社設立にかかる資本金規制が撤廃され、学生起業家も多い時代でした。
学生ベンチャーでは、NTTドコモのiモード携帯向けWebサイト作成、アラスカからのビール輸入、飲食店の紙伝票データのトレンド分析など、様々な事業にチャレンジしました。
学生で資金がなく、元手がかからないビジネスに挑戦しましたが、結局はどれも、ある程度の資本を投下しなければ、成功は難しいと痛感しました。
このまま粘っても下降の一途を辿るだけだと事業を畳み、就職活動の末、新卒で外資系の金融機関であるシティバンクに入行しました。
そこでは、個人のお客様、特に富裕層向けに、外貨や投資信託を販売する営業を担当しました。お電話でお客様に、資金と運用方針に応じた提案を行い取引が完結するというスタイルで、私は同期入社で唯一16ヶ月連続売上目標を達成することができました。
そして、約2年の会社員生活を通じて、私が感じたのは「自分がダメになるのではないか」という焦りと危機感でした。
学生起業時は、自ら考えることが膨大にあり、挑戦とリスクが表裏一体の環境でした。それに対して、ある意味「与えられた仕事をこなせば安泰」である今の環境では、飛躍的な成長は難しいと考えたのです。体に無理が利くうちは、過酷ながらも無限の可能性がある場所でチャレンジしたいと切望し、銀行時代の同期4人とともに会社を辞め、2007年に「株式会社エッジコネクション」を設立しました。
私の父の仕事は住職で、母は自分の夢を叶え図書館司書として勤めていました。両親から仕事の愚痴を聞いたこともなく、母からは「自分の好きなこと仕事にしなさい」と言われて育ったため、私の決断の根底には、そうした環境が影響しているかもしれません。
▼順調な成長の中、立ち込める暗雲
その時の私たちの一番の強みは、シティバンクで培った電話営業のノウハウだと確信し、創業当初は、営業代行の会社としてスタートしました。
初めての仕事は、学生ベンチャー時代の友人からの依頼でした。彼の勤務先である大手企業の商品を販売し、その受注額をもとにコミッションをいただくという、成果報酬型のスタイルから始めました。
やがて、「受注」ではなく、「架電」そのものに対する報酬をいただくというスタイルへ移行していきました。
金融機関での電話営業は、履歴を事細かく記録するのが通例で、アポイントを断られた時も、当たり前のようにその理由を残していました。当時は詳細な顧客接点データを蓄積している企業は他に見当たらなく、この膨大な記録こそが非常に価値のあるマーケティングデータになることをクライアントからの声で気づき、そこからビジネスモデルを転換したのです。
金融出身の電話営業が強みとなった点がもう一つあります。
金融機関では断定的発言を用いて営業してはいけないルールがあります。セールストークは、「客観的事実」と「お客様の考え」を突き合わせ、整合性を取りながら提案していく、テレマーケティングスタイルが基本です。
私たちはこれを営業代行でも応用し、「当社の製品はこのような特徴があります。御社でこういう課題があれば有益なお話しができると思うのですが、いかがですか?」というように、サービスの特徴と相手のニーズを突き合わせるトークでアポイントを獲得していました。当時の一般的な電話営業スタイルは、「近くにいるので、名刺交換だけでも」というような押しの強いものでしたが、私たちの電話営業は「質の高いアポイント」と評価され、リピートのご依頼が段々と増えていきました。
ビジネスモデルを確立し、事業は順調に成長していきました。創業から10年近くで、社員は20名ほどになっていました。
個人の事情などで、会社に残った創業メンバーは社長の私と副社長の2人だけでしたが、2015年、副社長の退職に伴い、会社は突如として大きなピンチを迎えるのです。
▼ピンチからの再出発。そして着実な歩み
私と副社長が、創業メンバーであり友人同士の関係であることは、全社員が周知のことでした。
しかし、ありもしない憶測や派閥が生まれ、社内には不穏な空気が漂っていました。状況の改善がまったく見込めず、ついに「私か副社長、どちらかの退職」という切迫した事態にまで陥ってしまったのです。
一瞬、私が会社を去るという選択肢も頭をよぎりましたが、当時の私には決して譲れない理由がありました。
なぜなら、同時期に私の出身地である宮崎県延岡市への進出が決まっていたのです。拠点開設について、テレビや新聞などのメディアで報道されることも予定されており、生まれ故郷への進出直後に私が退職すれば、悪評が立つことは必至でした。小さな街なので、家族を悪評の影響から守りたいという想いもありました。
当時の私は、組織運営のすべてを副社長に委ねていました。これは、副社長からの提案で、トップである私が現場に直接関与せず、権限を一元化することが組織強化につながるという考えに基づいたものでした。
そのため、社員との日常的なコミュニケーションも副社長経由で行う体制となっており、私が会社に残るとすれば、多くの社員が副社長と共に離職していくことは明らかでした。
最終的に、私が社長として会社に残ることとなり、副社長は会社を去りました。やはり大勢の社員が退職し、事情を知らない新卒同然の5名の社員だけが会社に残ったのです。
当時、組織コンサルなど事業領域を拡大していた当社でしたが、このピンチを残った社員とともに乗り越えるため、私は原点である「電話営業」に再び集中することを決断しました。
まずは5名の新人社員を一人前にすることを目指しました。
会社を離れていた創業メンバーたちから当時の営業資料を入手し、教育体制やマニュアルを整備して、新人でも成果が出せる仕組みを整えていきました。やがて社員たちは、一人で複数人分の売上を担保できるまでに成長していきました。そして、新たに営業を採用していくというサイクルを地道に続け、少しずつ会社を大きくしていったのです。
私たちが苦境の中でも倒れず、ピンチを突破できたのは、これまで積み上げてきた「電話営業」のノウハウがあったからです。だからこそ、社員の早期戦力化を実現し、会社を存続させることができました。
そして、もう一つの会社立て直しの鍵となったのが、開設したばかりの宮崎のインサイドセールスセンターでした。仕事が潤沢にある地域ではないので、採用がしやすく、定着しやすいという利点がありました。学歴や経験重視ではなく、ポテンシャルがある人材を発掘し、多くの人材採用に成功しました。
東京で契約を獲得し、宮崎でコール業務を遂行するという流れを確立したのです。お客様への成果を創出し、リピートオーダーが積み重なって、徐々に会社は拡大していきました。
振り返ってみると、2015年のピンチから現在に至るまでに、再び起業を経験したといっても過言ではありません。
そして心からピンチを脱したと言えるようになったのは、2020年頃だったと記憶しています。私がいなくても、1つ下の世代の部下たちに現場を任せられると実感したのです。現場から離れるタイミングを模索していたので、このタイミングで経営へのシフトチェンジを決断しました。これが、さらなる組織の成長へとつながり、現在では社員数は70名ほどに達しました。
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▼事業の核:伴走型支援と独自の強さ
エッジコネクションは、「営業・人事・財務課題 伴走型支援企業」として、事業責任者の抱える「営業・人事・財務」の課題に対し、課題解決まで伴走する支援を提供しています。
一般的なコンサルティング会社がノウハウ提供を主とするのに対し、私たちのスタンスは「結果が出るまで、最後までお付き合いする」というものです。
例えば、営業支援であれば、単に「このようなターゲットに営業すべき」と助言するだけでなく、自前のコールセンター機能を活用して実際の営業実行まで代行します。人事制度の構築においても、制度設計の提言だけでなく、定期面談を通じてお客様の社内に入り込み、制度の定着までを支援します。
この「提案から実行、結果創出までを担う」という伴走型のスタイルと、その根幹を支える自前のコールセンター機能が、当社の最大の強みです。
▼強固なビジネスモデル × 蓄積されたノウハウが生み出す価値
創業当初からビジネスモデルの基本は変わっていません。
ただ仕事の獲得方法は大きく変化しました。当時はテレアポで仕事を獲得していましたが、現在はメディアや広告からの問い合わせ経由がほとんどです。ありがたいことに、月100件以上のお問い合わせをいただくことも珍しくありません。
また、事業が進化し、電話営業代行の他に、営業研修の実施、営業資料の作成、営業戦略の設計といったコンサルティング領域まで対応可能となりました。営業領域に加え、人事・財務面にも課題解決の領域を拡大しました。
営業代行からスタートして20年近く、事業を運営してきたからこそ、営業手法、モチベ―ションコントロールなど「営業」にまつわる多岐にわたるノウハウが当社には蓄積されています。
また、財務面は、経済学部出身で金融業界経験者である私が、初めに身に着けたスキルでした。さらにエッジコネクション設立後も管理部門を一手に引き受け、銀行折衝もすべて私が担当し、中小企業に対する金融機関の見方、審査で見られるポイントなど、実践を通じ様々なノウハウを蓄積していきました。同様に人事領域のノウハウも、自社経営の中で身に付け、お客様の事業運営上の様々な課題に広く深く対応できるようになったのです。
直近では、新卒入社が多い企業への営業支援事例があります。
その企業の社長から、営業のアポイント件数アップについてのご相談を受け、目標設定についてお聞きすると、一人ひとりの社員の目線に合わせた設定を行っているとのことでした。私はその目標設定の方法に問題があると指摘し、営業同士の競争環境をつくることをご提案しました。実行段階でも、目標の全体周知、営業成績の可視化、仕組み定着のためのコミュニケーション設計など、細やかなフォローを行いました。結果、営業が取得するアポイント数が以前の2.5倍になったと嬉しい報告をいただきました。
事業領域が広がってなお、改めて自前でコールセンターという実行部隊を持つことの強みを確信しています。
それは、お客様の営業フローの一部に深く組み込まれ、有効に機能しているのであれば、切り離しや代替が極めて困難になるほど、強固で深い関係性がお客様と築けるということなのです。
この強固な関係性の中で、自然と「コンサルティング」のニーズが生まれ、営業・人事・財務といったより深い領域での支援につながっています。
▼成長を支える組織構築と人材育成
当社のスタッフは約70名が在籍し、東京本社、福岡支社、宮崎インサイドセールスセンターを拠点としております。お客様の課題解決に向けて、コンサルタント兼営業、コールセンタースタッフ、管理・経営企画部門が連携しながら、成果に貢献しています。
当社の強みである実行部隊、コールセンター部門の育成には特に力を入れています。入社後約1ヶ月間は基礎力を徹底的に磨き上げます。架電を効率化するツールを使いながら、毎日140件の電話をかけ、2~3件のアポイントを獲得するという訓練をコツコツと続けます。
さらに、サービスクオリティチェック部門によるアドバイスや、多岐にわたるお客様のビジネスモデル理解のための勉強会などを通じて、継続的な品質向上とプロフェッショナルとしての能力アップを図っています。
コンサルタント兼営業部門の育成については、ノウハウを体系化したマニュアルや、週に1~2回の勉強会を通じて実施しています。
また、当社の採用においては、社員からの紹介が増加しています。風通しのよい組織文化と、社員同士の良好な関係性からか、パートナーや親族を紹介してくれるケースも多くなっています。
今後も、「家族や親族を呼びたい会社」であり続けられるよう励んでいきたいと思っています。
私自身は、社内における「学校の校長先生」のような存在でいることを心がけています。
普段はあまり関わったり、干渉してくることもない。でも、“校長先生”が話し始めたらきちんと聞かなければならないし、校長室に呼び出されたら緊張するけれど、褒められたら嬉しい。
「社長」である私がそのようなスタンスでいることが、社員一人ひとりが主体的に活躍できる環境を醸成し、会社の舵を取る立場として、必要な場面で影響力を発揮するために重要だと考えています。
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▼今後、会社で実現したいこと
当社は、9年連続増収、14年連続の黒字経営と、健全な成長を続けています。
この安定した基盤と成長力を守りながら、事業責任者の抱える課題解決に貢献し続け、着実に事業を拡大していきたいと考えています。
私の経営の根幹にあるのは、「事業失敗による不幸を、この世から減らしたい」という想いです。
以前、私の親戚が事業に失敗し、自ら命を絶つという悲痛な出来事がありました。経営状況を聞いたところ、私からすると「まだ打つ手は残されている」状態でした。「知識やノウハウ不足」が、そのような不幸の原因と痛感し、不必要な犠牲を選ぶ経営者をなくしたいと考えるようになったのです。
せっかく“起業”というチャレンジを選んだ結果が“不幸”で終わるのは、あまりにも報われません。私自身も多くの失敗を重ねてきました。数々の失敗から這い上がって得た実践的な知見を経営者の方々に伝え、失敗を防ぎ、また失敗してもスムーズにリカバリーできるように支援していきたいのです。
そして将来的には、中小企業の経営者の間で、「エッジコネクションのおかげで、日本の中小企業は経営がラクになった」と言われるような存在になっていたら、これ以上の喜びはありません。この実現のために、私は一人の経営者として、必要とされる役割を全うしていきます。
▼さいごに
私が仕事の中で最も喜びを感じるのは、社員の成長を目の当たりにした瞬間です。
程度はありますが“挫折”と呼べる壁を乗り越えてこそ、人は成長できると考えています。自分の至らなさを認め、向き合い、乗り越えた先に、初めて真の成長があるのです。その成長の過程を目の当たりにした時、深い感慨を覚えました。
私自身が自分の至らなさと向き合ったのは、社会人1年目のことでした。
自分の能力を過信し、周囲を軽視していたのです。人を見下したようなその態度が、不要な敵をつくり、仲間になり得た人も遠ざけてしまっていました。
それから、自分自身と深く向き合い、そのような考えを持つこと自体が大きなリスクになると気づきました。虚勢を張って、傲慢にふるまうことが馬鹿らしくなり、自分の生き方も楽になったのです。自分の能力をひけらかさなくても、評価してくれる人がいて、ありのままでいいのだと気づかされました。あの時、至らない自分と向き合い乗り超えたからこそ、今があるのです。
知人や社員たちからは、「余裕がある」とみられているようですが、私はずっと「がむしゃら」に生きてきました。言い訳したり、物事から逃げたりせず、ひたすら真正面にやるべきことと向き合い続けてきたのです。
個人として有名になりたいと思ったことは一度もありません。ただ、現在はエッジコネクションを通じて、企業の円滑な会社経営・事業運営に貢献し、そして最終的には日本全体の幸せや成長に貢献していきたいと強く願っています。将来的にはエッジコネクションに加え、様々な会社の経営や、慈善活動を通じた社会貢献という未来もあるかもしれません。
エッジコネクションは、「営業・人事・財務課題」を解決する伴走型支援企業として、さらなる高みを目指し、進化し続けます。お客様の事業成長と目標達成、日本全体の向上のため、私たちは最後まで、ともに走り続けます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
