
はじめまして。
株式会社BizPatoの代表取締役を務める高橋拓真です。
当社は民泊運営代行「民泊管理バンク」を通じて、オーナーと旅行者の双方にとって価値ある体験を提供している企業です。将来的には世界中で各地域の魅力を伝えるヴィラを展開し、旅行とローカル体験を融合させた場を広げていきたいと考えています。
▼岡山から上京、民泊のはじまり
私は、岡山県出身です。高校を卒業し、慶應義塾大学へ合格したのを機に上京し、鎌倉にアパートを借りました。
両親からは「仕送りはできないから自分で稼いで」と言われ、どうやって生活費を稼ぐかを考えていた時に、母から世界的な民泊サービスである「Airbnb(エアビーアンドビー)」の存在を教えてもらったのです。
実はその少し前、高校2年でオーストラリアに1年間留学した経験があります。
帰国後、岡山で英語を話す機会がなくなってしまい、英語力が落ちていくことに危機感を覚えました。そこで、外国人旅行客を無料で受け入れるマッチングサービス「カウチサーフィン」を利用して、英語での話し相手として自宅に泊めていたのです。
その経験があったので、自宅の1LDKアパートの一室を、外国人旅行客に有料で貸し出すというアイデアにすぐ「これだ」と思いました。こうして、鎌倉の自宅アパートの一室を貸し出すようになったのが、私の民泊ビジネスの起点となりました。
大学時代に、自宅で民泊を提供できたことは非常に楽しく、濃密な経験でした。
ゲストと鎌倉観光や自宅での食事を楽しむなど、体験を共有できることが純粋な喜びでした。中でも印象的なのは、大学の友人も誘ってインドネシアからのゲストとカラオケに行き、自宅で手巻き寿司パーティーをした体験です。ゲストはこの体験を心から喜んでくれました。通常の旅行では、現地の大学生とカラオケなど、決してできません。現地の日常に溶け込む「ローカル体験」を共有することが、ゲストにとって特別な旅になるのだと確信しました。
そして、この「記憶に残る旅をつくる」という想いが、今の事業の軸に繋がっているのです。
▼法改正とコロナ禍という2つの危機
2018年4月に民泊を始めた当初は順調で、すぐに予約が埋まり、ゲストが入れ替わり立ち替わり訪れる状況でした。
ところが、その年の6月、思わぬ障壁にぶつかりました。住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」が施行されたことで、大家さんの許可が必須となり、結果として民泊を禁じられてしまったのです。
楽しかった日々は突如として終わりを告げてしまいましたが、諦めきれない私は、悔しさのあまりWebサイトで民泊についての発信を始めました。これまでの経験をもとに、民泊運営の成功法やゲストが喜ぶポイントなどのノウハウを提供していきました。実はそれが、現在当社が運営している「民泊管理バンク」の始まりだったのです。
Webでの発信を続けるうちに、「民泊を手伝って欲しい」という問い合わせが増え、一部の業務を手伝うという形で事業を継続していました。しかし、そんな中、コロナ禍で民泊業界にも未曾有の危機が訪れ、業界全体が低迷し、仕事は激減しました。
そこで私は代わりに、Web広告の運用代行やSEO運用代行を手掛けることにしました。この期間にWebマーケティングのスキルとノウハウを徹底的に磨いたことが、現在の民泊業界の検索順位で当社が1位を獲得できる強固な基盤となりました。
そしてコロナ禍を耐え抜き、インバウンド需要が戻ってきた頃、私は新たな挑戦をスタートさせたのです。
▼本格始動と法人設立
私は池袋でアパートの2室を借り、民泊運営を再開しました。すると、想定以上の成果を上げることができ、もっと本格的に他の方の民泊をサポートすべきだと考えました。
事業が軌道に乗った2023年1月に株式会社BizPatoを設立し、同年5月から正式に民泊運営代行サービスを開始しました。
会社の設立は大学を卒業する直前。周りの友人が高い年収を提示され、大手コンサルや金融、GAFAといった一流企業に就職していく中、私は起業という決断をしました。当時は、華やかな友人の進路に惹かれない訳ではありませんでしたが、自分が選んだ道の先には、はかり知れない広大な世界が広がっているという希望に自らの人生を懸けたのです。

▼オーダーメイド型運営代行と圧倒的な集客力
現在、当社の民泊運営代行事業は、北海道から伊豆大島、軽井沢、那須、そして東京を中心に、全国で約200件の物件を管理しています。ありがたいことに、毎月契約件数が増加し、増収増益の右肩上がりで成長を続けています。
急成長の背景には、主に2つの大きな強みがあります。
第一に、「オーナー様の利益を最大化する」サービス設計です。
例えば、「予約サイトへの掲載は任せたいが、日々の清掃は自分でできる」というオーナー様であれば、その業務はご自身で担っていただくことで、利益が増える設計にしています。この仕組みは、「自分でできることまで手数料を取られてしまう」という不満を解消し、利益を最大化します。このようなオーダーメイド型のサービスを展開している企業は業界でも珍しく、多くのお客様からご好評をいただいております。
第二の強みは、設立前のコロナ禍で磨き上げたWeb集客力の強さです。実際、Googleで「民泊 代行 東京」といったキーワードで検索すると、当社のサイトがトップに表示されます。
さらに、単に予約サイト内の熾烈な検索順位争いに依存するのではなく、宿泊料金を高く保ちながら、より効率的かつ効果的な流入経路で販売を実現するノウハウを持っているのです。
このように、オーナー様の利益を最大化するための戦略設計まで手掛けられるため、結果として真のビジネスパートナーとして強固な関係性を築けています。
▼新たな戦略と人材へのこだわり
しかし昨今、市場には変化の兆しが見られます。以前は「手間をかける代わりに利益を増やしたい」という需要が多かったのですが、不動産会社や投資家のオーナー様の増加に伴い、「清掃やゲスト対応含め、すべての運用を任せたい」という依頼が増えてきました。
今後は市場の変化に対応するため、完全オーダーメイド型から、一括して業務を請け負いつつ、オーナー様の利益を最大限確保するスタイルへ徐々にシフトしていく予定です。
この新しい戦略においても、私たちの強みの一つである「Web集客力」によって宿の販売価格の価値を維持できるため、オーナー様は充分な利益を確保できます。
さらに私たちが選ばれる理由として、スタッフの質が挙げられます。実は、当社の報酬は業界相場の約3倍と、決して安価ではありません。
それは自社の人材にこだわりを持っているからです。ゲストから問い合わせに対応する24時間対応スタッフは全員日本人のバイリンガル人材で構成しています。日本時間の昼間は日本を含むアジア圏、夜間は時差が逆のアメリカやカナダのスタッフが対応する体制です。これは、日本人特有のきめ細やかな「おもてなしの心」での対応にこだわるためです。
例えば、「洗濯はできますか」とゲストから問合せがあったとします。洗濯機がない施設でも「できません」と事務的な回答で終わらせるのではなく、「近くにコインランドリーがあるのでご案内します」などプラスアルファの提案をすることで、ゲストにとっての「いい体験」が生まれるのではないでしょうか。
業界では珍しいレベルのこだわりですが、当社は「記憶に残る旅」を提供することに強い信念を持っています。それがリピートや高評価に繋がり、短期的な料金比較では測れない、長期的な利益に繋がると確信しています。
▼目指す組織のカタチと次のステージへの展望
BizPatoは、「記憶に残る旅をつくる」という想いを軸に成長を続け、3期目を終え、2025年11月4期目に入りました。
創業当初は私一人でのスタートでしたが、現在では、営業、カスタマーサポート、問合せ対応スタッフを合わせ、20名を超えるメンバーに支えられています。「いい体験」をゲストに提供したいという、高いホスピタリティ精神を持ったメンバーばかりです。
組織づくりにおいては、現場の声の尊重とスピード感の両立を重視しています。達成すべきゴールを共有した上で、基本的にはそのプロセスは現場に大きく委ねています。
それと両立し、お客様の満足するスピードで期待に応えられるよう、バランスも意識しています。質の高いサービスを提供しながら、現場中心で社員がやりがいを持って働ける組織を目指しています。
今でこそ、優秀なメンバーが揃い、提供するサービスに強い自負を持っていますが、設立当初は試練の連続でした。
コロナ禍が明け、民泊の需要が一気に押し寄せ、業務はパンク状態となり、私一人では対応しきれないほどでした。そこで社員を雇う決断をしましたが、立ち上げ直後の売上が盤石ではない状況での採用は、私にとって大きな挑戦でした。順調に会社は成長していき、社員数が増え業務自体は回るようになりましたが、別の問題が発生し、マニュアルや業務管理体制の不備から、ミスやクレームが続出するという事態に直面しました。
その後、業務の体制や仕組みを徹底的に整備し、お客様に「当社に安心してお任せください」と胸を張って言えるようになったのも、ここ一年余りのことです。
今では、高い質を維持しながら効率的な業務遂行が可能となり、さらなる事業拡大や新しい展開を見据えています。
BizPatoは、ようやく本当のスタートラインに立ち、「記憶に残る旅」を全世界に広げるため、次のステージへと力強く舵を切ります。

▼今後、会社で実現したいこと
今後は、クオリティの高い“特別”な宿泊施設も手掛けていく予定です。例えば、山奥の古民家をリフォームしたものや、リビングの窓全面からオーシャンビューや山々の景色が見えるような、地域の特色を最大限に活かした非日常を体験できるヴィラです。
そして、私たちの最終的な目標は、世界5大陸にその地域ならではの体験ができるヴィラを創出することです。イメージとしては、中東の砂漠地域の岩山をくり抜いた宿体験や、モンゴルで「ゲル」に泊まり草原の真ん中で朝食をとる、といったそこでしか味わえない体験です。
さらに先の未来には、BizPatoのブランドを通じて地域経済を牽引できるような世界をつくりたいと考えています。
観光地ではない過疎地域であっても、その地域らしさに光を当て、当社がヴィラを開発することで多くのゲストが訪れ、地域の経済発展に貢献するのです。この取り組みを世界中に広げていくことが私の夢です。
会社の規模がどんなに大きくなっても、私たちにしかできない「記憶に残る」ユニークな体験を提供し続けたいという強い想いがあります。
一見すると壮大すぎる目標に聞こえるかもしれませんが、その実現に向けて、私たちはすでに鮮明な地図を描いています。
第一段階は、まず現在行っている民泊代行事業で、オーナー様の物件をしっかりと収益化し、信頼と実績をさらに積み上げることです。
第二段階では、先ほど触れた古民家やオーシャンビューなどの「非日常的な空間」を提供するヴィラを自社で展開し、当社の強みであるWeb集客力で成功させます。この成功実績をもとに、第三段階として投資家の方々から出資を募り、より大きなスケールでの事業展開を図ります。
国内での成功モデルを確立した先には、いよいよ海外展開が待っています。投資家の方々を巻き込み、「世界への挑戦」を呼びかけ、目標である世界5大陸での事業展開へと挑みます。
一つひとつの山を乗り越えることで、必ずこの目標に辿り着けると確信しています。
▼さいごに
大学4年の頃、一流企業に就職していく同級生を横目で見ながら、私は「起業」という選択肢を選びました。今振り返って、あの時、一歩を踏み出せたことを心からよかったと実感しています。
私が選び取った道は、想像もできないほど遠く広い世界まで私を連れてきてくれました。
設立当初は、遠い夢をぼんやりと思い浮かべることしかできず、目の前の売上目標を達成することで精一杯でした。しかし、一つの困難を乗り越えた先には常に新しい景色が見えていて、自社で古民家を購入しリフォームするという未来が見えるようになっていました。さらに道を進んだ今、投資家の方を巻き込んで海外展開するという道筋も現実的なものになってきたのです。
困難は尽きませんが、期を迎えるごとに想像を超えた世界線に立つことができ、その貴重な経験を深く噛みしめています。
「やり切ったといえる人生でありたい」
私は人生に悔いを残したくありません。常に自分が信じた道を歩み、何事にも全力投球することを意識しています。全力を尽くし、それでも壁にぶつかったなら、そこで初めて新しい道を探せばいいと考えています。
こう考えるようになったのは、大学生の頃に母をガンで亡くした経験が深く影響していると思います。それまでは当たり前の日常がずっと続くと疑うことはありませんでした。しかし、年齢に関係なく誰にでも「死」は訪れるという現実を突き付けられたのです。
それならば、やりたいことをやり切り、「今」を楽しみ、後悔しないように生きようと決意しました。
「記憶に残る旅をつくる」――この理念を世界中に提供する。これが私たちの揺るぎない想いです。
BizPatoは、世界中の人々にかけがえのない体験を届け、関わる全ての人々と地域の幸せに貢献し続けていきます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ご興味を持っていただけた方、そして当社のビジョンに共感いただける方は、私たちと一緒にこの旅路をともにしませんか。
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