はじめまして。
スクエア合同会社の代表を務める小野 ちづるです。
当社は、組織開発コンサルティングを行う会社です。
人材力・組織力・関係力の観点から中小企業の経営者やマネジメント層と向き合い、エグゼクティブコーチング、1on1ミーティングのトレーニング、チームビルディングのワークショップなどを通じて、「対話の文化づくり」を支援しています。
最近は特に「管理職に1on1をしっかり実践できるようになってほしい」というニーズが高まっており1on1ミーティングに特化した研修やトレーニングのご依頼が増えています。
▼原点としてのアナウンサー時代、そしてゴルフ場の“女将”に
私のキャリアの原点は、地方局のアナウンサーでした。
その後、フリーアナウンサーとして活動し、ロンドンやスペインなど海外での生活も経験しました。
この頃に培ったのは、「人の話を深く聴き、観察する力」。言葉になっていない想いや空気を感じ取り、その背景を理解しようとする姿勢は、今の仕事の大きな礎になっています。
帰国後はゴルフ場経営に携わり、3カ所のゴルフ場を運営。
接客から人材育成、組織改革、リブランディングまで、幅広く手掛けてきました。
現場の細部から経営の全体戦略まで、“女将”のように多面的に関わる中で、経営とは「未来を描くこと」と「人と向き合い続けること」なのだと、深く実感しました。
▼転機となった思いがけない一言
忘れられない出来事があります。
あるゴルフ場でレストランスタッフの接遇向上を目指していた時のことです。
当時、20代前半の女性社員がサブリーダーを務めていました。
ゴルフ場はお客様が相応の費用をかけて足を運ばれる場所です。一方、彼女はゴルフ未経験で、年齢も若いためお客様が日常的にどのようなレストランでサービスを受けているかをイメージするのは難しいだろうと思い、一度体験させてあげたいと考えました。
そこで「勉強のために、スタッフみんなで食事に行かない?星付きのレストランでも、回らないお寿司屋さんでもいい、あなたが行きたいところ決めていいよ。費用は私が出すから。」と彼女に声を掛けました。
私は当然、「あのレストランに行ってみたいです。」など前向きな答えが返ってくると期待しました。
ところが、彼女の口から出た言葉はー
「それって、残業代出ますか?」
最初は、自分の想像とまったく違う反応に、正直ガッカリしてしまいました。
でもすぐに気づかされたのです。
私が「よかれ」と思ってやったことが、必ずしも相手にとっても「いいこと」とは限らない、のだと。
それと同時に彼女との間に十分な人間関係が築けていなかったことも痛感しました。
この経験を通して学んだのは、相手の価値観に耳を傾け、対話を通じて関係性を育んでいくことの大切さでした。
そして、人の可能性を引き出す対話こそが、組織を動かし、成長させていく力になる。
その確信が、スクエア合同会社を立ち上げる原動力のひとつになりました。
▼会社の特徴・強み
業種を問わず様々な企業からご相談をいただいております。中でも特に多いのが、中小企業の経営者の方々です。
現場の悩みに寄り添い、対話を通して「人と組織の進化」を支援しています。
スクエアの強みは大きく3つあります。
1つ目は対話の“場”をつくるファシリテーション力。
「対話」はただ言葉を交わすことではありません。大切なのは、心を開いて本音を語れる“場”をどう設計するか。
当社には、こうした場づくりに長けたファシリテーターが在籍しており、クライアントの課題に応じて最適なチームで伴走します。
2つ目は、共通言語を持つ協業パートナーの存在。
私たちのパートナーは、同じ価値観や思考の土台、共通言語をもつ同志たちです。
大切にしている想いを分かち合っている彼らと、研修やコンサルティングの現場に入ることで、それぞれの専門性を活かしながらより高い効果と価値を生み出せます。
3つ目は、経営経験に裏付けされたリアリティ。
私自身が会社経営の現場に携わってきたことも大きな強みです。経営の泥臭さ、現場の葛藤も理解しているからこそ、表面的なアドバイスではなく、実感を伴ったサポートができると感じています。
中小企業では会社のトップが営業も担うケースが多く、社内の人材育成まで手が回らないケースも少なくありません。
そうした“手の届かない部分”にアプローチするのが私たちの役目です。
▼経営者の言葉には、組織を動かす力がある
「対話」 を支えるのは、何よりも“言葉”です。
中でも、経営者の言葉には、組織の方向性や文化に深く影響を与える力があります。
だからこそ、私たちは研修やコンサルティングの前に、必ず経営者との対話の時間を設けています。
想いやビジョンを丁寧に伺い、それを現場に届ける「代弁者」として、また、迷いや葛藤にも耳を傾ける「伴走者」として、言葉を丁寧に紡いでいきます。
トップの言葉は、水のように組織にじんわりと染み渡っていきます。
どんな変化を起こしたいのか。その言葉は社員にどう届き、どんな未来を紡いでいくのか。
そうした問いとともに言葉を磨き、対話の場を整えること。
それが、私たちスクエア合同会社の大切な役割です。
▼今後、会社で実現したいこと
これまでの歩みの中で 、私は「対話の力」が人と組織を変える瞬間に何度も立ち会ってきました。
たとえば、50代半ばの男性管理職が、1on1研修をきっかけに、部下との接し方を見直し、自らの弱点に気づき、言動に変化を起こしていったことがあります。
技術畑一筋で日頃から厳しい口調だった彼が、今では「部長と話したい」と部下から声が上がるほどの存在になっています。
人は、年齢や立場に関係なく、変わることができる。
その確信があるからこそ、まずはこの事業をもっと多くの企業や組織に届けていきたいと考えています。
そして、私には実現したい大きな構想があります。
それは、人も組織も、そして私自身も豊かに過ごせるリトリート施設をつくることです。
日常の喧騒から離れ、心と身体を整え、本来の自分と静かに向き合える空間。
いまはまだ 遠い話ではありますが、いつかその場所で、これまでの学びや実践を凝縮したスクエアのオリジナルワークショップを開催したいと考えています。
さらに、 そのリトリートの空間でぜひ実現したいのが、「音楽の力を活かした場づくり」。
憧れてやまないヴァイオリニスト・葉加瀬太郎さんに、スクエアのワークショップのテーマソングをつくっていただく──
そんな夢も密かに描いています。
音楽には、場を整え、心をひらき、思考や感情の流れをやさしく導いてくれる力があります。
その音に包まれながら、参加者が肩書や日常の役割をそっと脇に置き、本来の自分と向き合うモードへ自然に移行していく。
そんな豊かな導入が、場全体に美しい共鳴を生み出していくのです。考えただけでワクワクしてしまいます。
これが、私が心から実現したい未来です。
▼さいごに
私は、「対話の文化」が根づいた組織には、“やさしさ”が自然と育まれると考えています。
やさしさとは、相手を尊重し、可能性を信じる姿勢です。
その価値観と想像力が組織内に浸透すれば、お互いの強みを引き出し合い、個人も組織も、より健やかに成長していけると確信しています。
人は本来、愛し、愛され、成長する存在です。
“やさしさ”は、その愛の一部を日常に宿らせる、軽やかでとても親しみやすいかたちだと思うのです。
だからこそ、組織のなかに“やさしさ”という他者を思いやる余白が息づいてほしい──私はそう願っています。
対話はそのやさしさの土壌をつくります。
意識が変わり、関係性が変わり、やがて組織の未来が動き出す。
私たちスクエア合同会社は、そうした変化の連鎖を信じ、これからも「対話の力」を通じて、組織の進化と人の成長に伴走してまいります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
もし少しでも共感いただける部分がありましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。