はじめまして。
株式会社ユーザベースの代表取締役 CEOを務める稲垣 裕介です。
生まれは愛知県の岡崎市で、高校卒業後は、埼玉大学の工学部電気電子システム工学科に進みました。
今でこそ素敵な仲間に恵まれ、夢中で仕事に取り組んでいますが、学生時代は、特にやりたい事や打ち込めるものはなく、どこにでもいるような学生生活を送っていました。
そんな中でも、エンジニアリングやテック、ゲームには少しばかり興味があり、小学校5年生の時の夢は、ぼんやりと「技師」になりたいと思っていた記憶があります。
大学に進学後も友達と遊ぶのは楽しかったのですが、大学で専攻していた分野を活かし電気技師になるのは自分の中でイメージが沸き切らず、ノーベル賞で世界を変えるよりも経営者として世界にインパクトのある事をしたいという気持ちに少しずつ変化していきました。
高校からの同級生でユーザベースの共同創業者でもある梅田と起業家選手権に出ようかと考えたタイミングもありましたが、良いアイデアが浮かばず出場を辞め、私にとって人生で初めて挫折を味わったのは、今となってはいい思い出です。
そして、まずは企業で力を付けようという気持ちが固まり、大学卒業後はアビームコンサルティング株式会社に入社し、ITコンサルタントとしてキャリアをスタートさせました。
当時はERPパッケージの導入がトレンドで、がむしゃらに仕事に取り組みました。
とても忙しい毎日を送っていましたが、仕事が楽しく、その上お金もいただけるという環境に充実感がありました。
元々、コンサルタントとして入社したのですが、開発領域の仕事のボリュームが多く、今となってはその時の経験がユーザベースのサービス開発に活きたなと感じています。
変化の激しいプロジェクトを成功させるための過程で、チームで働くことの楽しさや成功体験を積み重ね、いつかは経営者になりたいと思っていた気持ちがより高まっていきました。
アビームコンサルティングでの仕事はとても充実していましたが、3年ほどたった頃に梅田と改めて話をするタイミングが何度かあり、一緒に会社をやっていくという結論に至りました。
アビームコンサルティングでお世話になった方々への恩もあり、辞めることへの迷いは正直ありましたが、当時のパートナーさんから「自分たちの事業を創り上げ、アビームコンサルティングと一緒に仕事が出来るようになればいいじゃないか」と背中を押していただき、2008年4月1日にユーザベースを創業しました。
▼会社の事業内容を教えてください
当社は、経営のスピードを上げる情報プラットフォーム「スピーダ」と 国内最大級の経済ニュースプラットフォーム「NewsPicks」の企画、開発、運営、提供までを一貫して行っています。
スピーダでは、経営企画、事業開発、法人営業の領域で、「戦略精度の向上」「生産性の向上」「コスト削減」の3つの価値を提供しています。
NewsPicksでは、「新しい視点を集めて、経済の未来をひらく」をミッションとし、オリジナル記事や動画番組の他、国内外100以上のメディアのニュースを配信しています。
記事を配信するだけでなく、著名人や有識者をはじめとするユーザーが投稿に対してコメントできる仕様のため、多角的にニュースを読み解いていただけます。
▼会社の特徴・強み
「人とテクノロジー」の両輪により新しい価値が生まれると考えています。
プラットフォームにおいても、情報の吸い上げはテクノロジーを活用しますが、ジャンル分けなどは人の判断も入れながら、サービスの価値を高めることを意識しています。
ビジネスサイド、エンジニアサイドどちらも優秀なメンバーが集まってくれていることが大前提ではありますが、お互いが尊敬し合いながらバリューを発揮してくれています。
エンジニアメンバーが営業の商談に同席することもありますし、部署を超えて一緒にプロダクトを作っている一体感は、当社の強みだと感じています。
創業当時、事業のビジョンは梅田が描き、開発は私がメインで担当していましたが、当時、エンジニアを業務委託ではなく内製化してスタートしたことが、当社の強みにも繋がっていると考えています。
▼社内の雰囲気
上記で、一体感を持って仕事が出来ているのが当社の強みとお伝えしましたが、最初の頃はなかなか OneTeam として運営できていなかったのが正直なところです。
しかし、ビジネスサイド、エンジニアサイドがお互いにアップデートし続け、新しい仲間も迎え入れながら少しずつ組織が強くなっていきました。
ビッグリリースの時はトップダウンで一気にプロジェクトを進めることも重要ですが、並行して小規模改善チームも組織として作っており、営業とエンジニアがお互いに情報を共有しながらプロダクトのブラッシュアップを行っています。
「人に喜んで欲しい」という想いを持ったメンバーがたくさん在籍してくれているので、社内外問わず、誰かのために自分がバリューを発揮するというプロフェッショナルが多いのではないでしょうか。
▼今後、会社で実現したいこと
一過性ではなく、インフラやプラットフォームとして日常的に使っていただけるサービスを創り上げたいです。
ビジネストレンドを意識することも時には必要ですが、私たちが提供したいのは、ビジネスパーソンに長く必要とされるサービスですので、自分たちだからこそ生み出せるバリューを大事にしていきます。
具体的に考えている事としては、法人向けのサービスはインターフェイスが分かりにくい部分もまだまだあるので、その情報をモバイルでスピーディーに分かりやすくお届けする形を作れたらと考えています。
これからAIを活用したテクノロジーは更に進化しますが、あくまでそれを扱うのは人なので、「人とテクノロジー」の両輪を大事に事業を推進していきます。
▼さいごに
当社は2023年にTOBを実施しました 。
当時、期待してくださっていた方々への申し訳なさと、会社を去っていったメンバーのことを考えると、今でも悔しさがこみ上げてきます。
テクノロジーの進化がどれほど進んでも、最後は「人」だという想いは今も変わりません。
ステークホルダーやユーザーを幸せにすることは当たり前の話ですが、一瞬でも一緒に闘ったメンバーの幸せを創っていくことも経営者の仕事だと考えています。
人は「心が動いた時」に「感動」し、感情が揺さぶられます。
この経験はとても尊いですし、「感動」をどれだけ多くの人に届けられるかが事業の成長にも大きくかかわってきます。
私たちが目指す世界の実現はまだまだ道半ばですが、私たちに関わってくださった皆さんを幸せに出来るようにチャレンジし続けます。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
もし興味を持っていただけた方は、お気軽にご連絡ください。