はじめまして。
Snowflake合同会社の社長執行役員を務める、東條 英俊です。
当社は、データクラウドを通じた組織のデータ活用の支援をしています。
生まれは東京都で、大学は中央大学文学部に進みました。
時代背景もあり、就職活動では金融や商社などの業界を目指す友人が多い中、当時、「マルチメディア」という領域に私は惹かれていました。
いわゆる、複数のメディア形式(音声、映像、文字)などを組み合わせ、コンピューターや家電、通信などを活用し、新しい価値を生み出す領域として注目され始めていました。
大学卒業後は、株式会社ジャストシステムに入社し、営業としてビジネスキャリアをスタートさせました。
ジャストシステムは、「一太郎」という日本語ワープロソフトで有名になった会社ですが、私は法人営業の担当でした。
一太郎以外にも、ATOKなど自然言語処理の優れた技術を持った会社で、機械翻訳など今ではスタンダードになったサービスも先駆けて展開していました。
その後、マイクロソフト株式会社(現:日本マイクロソフト株式会社)の法人営業を経て、Microsoft 365のプロダクトマーケティングを担当しました。
また、自ら手を上げ、マイクロソフト米国本社へ移籍し5年ほどアメリカで仕事をした期間があり、並行してワーキングスクールで、ワシントン大学大学院フォスタースクールの経営学修士課程(MBA)を修了しました。
日本マイクロソフトに戻った後、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社に転職し、パートナーセールス、営業部長も経験し、その後、Snowflake合同会社の第一号社員として現在の職に就きました。
▼会社の事業内容を教えてください
Snowflakeは、クラウドベースのSaaS型AIデータプラットフォームを提供しています。
AIデータクラウドを活用し、データを統合しサイロ化を改善し、データの外部共有、データアプリケーションの推進、AIを活用した分析のワークロードなどを行います。
複数のクラウドやエリア関係なくシステムを一元管理できるようになることで、企業の課題に対して複数の観点からアプローチしています。
上記の通り、私自身はSnowflakeの日本法人の第一号社員として入社し、ゼロから組織を作ってきました。
自らお客さまのところに足を運びながらWEBでの問い合わせにもすべて対応し、メンバーも少しずつ採用し組織を構築してきました。
会社サイズに比例してデータ量が蓄積されているという訳では無く、企業の方と綿密に連携しながらデータを収集し整理をしながら導入を進めていきました。
泥臭い営業と並行してマスマーケティングにも力を入れ、記者の方とコミュニケーションを取りながら、イベントや新しいリリースがある度に記事にしてもらうなど試行錯誤し、ある意味、これまでマーケティングをやってきた経験が活きた場面も多くありました。
▼会社の特徴・強み
私たちの会社は、プロダクトをカスタマーファーストで作り上げている点が強みの一つとして挙げられます。
競合商品は世界中にたくさんあるなか、お客さまが実際に当社のシステムを触っていただき、他社と比較して使いやすく導入を決めていただくケースも少なくありません。
アーキテクチャがクラウドベースであり、システムの安全性を担保できる点も、喜んでいただいています。
また、お客さま同士がデータを共有し合うビジネスシーンも増えている昨今、データクリーンルームの整備も避けては通れません。
私たちは元々、この領域でも高い水準での開発を進めていたため、お客様の複雑化するビジネススキームにも個社ごとに対応することが可能です。
技術的に上記が実現できているのは、繰り返しなりますが、カスタマーファーストの考えが全社で共有されているからです。
お客さまの声をプロダクトに反映しブラッシュアップしていくことで、メンバーも自信を持ってお客さまに商品をご提案することができているのではないでしょうか。
▼社内の雰囲気
社員同士が協力し合う文化があります。
外資の場合、縦割りで組織化されるケースが多いのですが、部門を超えて自発的にサポートし合える風土があると感じています。
Snowflakeの前CEOであるフランク・スルートマン氏が「カンパニーバリューに基づいた行動の積み重ねが文化になる」と話をしてくれたことがあります。
この言葉は私もとても納得感があり、一緒に働いてくれているメンバーには日本法人の立ち上げ時期から強く意識してメッセージをしてきました。
採用の場面でも、当社のミッション・ビジョン・バリューに共感してくれた方を採用しており、同じ想いを持った仲間が当社にジョインしてくれるからこそ、同じ方向に向かって一枚岩となって走り続けられています。
会社としてカスタマーファーストという考えを大事にしていますが、メンバー 一人ひとりがアクションに繋げてくれており、良いメンバーに恵まれたと思う機会が多々あります。
また、本社のプロダクト責任者に日本に来てもらい、実際にお客さまのところに足を運び、お客さまの声をプロダクトに反映させるケースも少なくありません。
実際にお客さまにヒアリングをして4ヶ月程度でプロダクトを改良した事例もあります。
カスタマーファーストと並行して、経営者としては従業員の満足度を上げることで、結果的にお客さまへのサービスの質も高くなると考えています。
人のために行動するには、まずは自分自身が満たされる必要があり、その環境を作ることも経営者の仕事だと思っています。
社内環境の整備としては、具体的には、下記などがあります。
1. 成果を社内チャットにて皆で称賛
2. 四半期に一度の表彰制度
3. ランチミーティング(会社負担)
4. 各種イベント(バレンタインやクリスマスの際、スイーツやケータリングを用意)など
他にも四半期ごとにあるAll Handsでは、会社としての想いを共有した後、全社パーティーをしたりなど、オフィスが自発的に集まりたくなるよう場所を目指し、担当部門のメンバーも知恵を絞りながら盛り上げてくれています。
また、グローバルで「Data Superheroes 」というアワードを実施しています。
社外向けのアワードなのですが、Snowflake を活用し、データの可能性を最大限に引き出すリーダーとして活躍するエキスパートの方々を毎年表彰しています。
私たちは社内のメンバーだけでなく、社外のパートナーにも支えられて事業を推進できているので、関わってくださる人たちを大事にしながら、これからもダイナミックに事業展開していきます。
▼今後、会社で実現したいこと
カントリーマネージャーの立場として、日本に皆さんのお役に立てる事は何かを考え続けアクションしたいと思っています。
私たちのプロダクトやサービスを通して、今まで出来なかったことが出来るようになる世界を創っていきたいです。
データクラウドの領域で競合他社がたくさん存在し、お客さまの要求は少しずつ高くなるなか、私自身も危機意識はあります。
しかし、この危機意識が生まれることは、とてもヘルシーで健全な状態だと考えています。
自分たちの強みを活かしながら、お客さまにまだ見ぬ未来を見せてあげることで、世界はより良いものになっていくのではないでしょうか。
そして、「AIデータクラウド」は今後の事業展開の中でポイントになってきます。
お客さまの蓄積したデータを組み合わせシナジーをも持たせることでお客さま同士のマッチングが進み、データ交換を通じた新たな価値が生まれていく世界の実現を目指します。
また、それを実現するには課題が多いのも事実です。
日本のエンタープライズは、これまでの長い歴史があるがゆえに、身動きが取りづらくなっているケースも少なくありません。
その時に、私たちも信頼を積み重ね、お客さまの社内で強いリーダーシップを発揮して推進してくださる方と協力しながら、より良い世界を実現できるよう人間同士の泥臭いやり取りを日々取り続けています。
▼さいごに
私自身、マイクロソフトの米国本社で仕事をした経験が、1つの分岐点となりました。
英語でのコミュニケーションもままならない状態で、言いたいことも伝えきれず孤独感を感じて仕事をしていました。
その時は、これまで感じたことのない苦しみを心に抱え、今思えば精神的にも限界の状態でした。
しかし、何かを変えないといけないともがき続け、ワーキングスクールで、ワシントン大学大学院フォスタースクールの経営学修士課程(MBA)を修了し、英語でビジネスをする自信を少しつけ、当時任されていたプロジェクトでも何とか成果を出すことができました。
ある意味、当時の苦しみは時間が解消してくれた部分も大きかったですが、その当時、もがき続けたからこそ、今の自分があると思っています。
また、仕事をする上では「常識を疑ってみる」「WHYを積み重ねる」など、今までのやり方を疑い、なぜこの事象が起きているのかを突き詰めることで、新しい価値創造や課題解決に繋がると考えています。
人間は意識しなければ、今までのやり方を踏襲し、ついつい楽な方に流れてしまいがちです。
私自身、海外でビジネスをした経験なども含めて、意識することによってもたらされた成功体験が、今の考え方を醸成しています。
もしかすると、現在、苦しみながらもがいている方もいるかもしれません。
今はしんどいかもしれませんが、その経験があったからこそ将来振り返った際、糧となったと思える日が来ると信じ、ぜひ変革していって欲しいと思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
もし興味を持っていただけた方は、お気軽にご連絡ください。