はじめまして。
CRM研究家で株式会社やずやの顧問を務める西野博道と申します。
現在は、CRM研究家として活動しています。
経歴の詳細については、後ほどお話ししたいと思います。
1947年、福岡県で生まれました。
元々、電気設備屋として独立し、夫婦二人三脚で仕事に打ち込みました。
そして、30代に入り、当時はまだ珍しかったコンピューター事業を始め、ハードウェア製造など多角的に事業を進めました。
しかし、私自身の計画の甘さもあり、1億円の借金を背負うことになってしまったのです。
今でも忘れませんが、今後、どうやって借金を返していこうかと考えていた時、人生で最大の師と仰ぐ、やずや創業者である矢頭宣男と出逢いました。そして、やずやへコンピューターシステムを入れることになったのです。
私自身もこれまでの経緯や現状を包み隠さず伝え、自分自身のことを受け入れてくれた懐の大きさや人柄に惹かれ、「やずやの御輿をかつぐ」ことを天職と感じ、自分の会社を整理し、やずやへの入社を決意しました。
入社当初は、今でいう社内SEとして、システム部門の整備を行い、恐らく当時は時代の先駆けであった、CRMシステムを構築していきました。
新規顧客をリピート顧客へと育てる顧客ポートフォリオマネジメントの開発や、リピート率の向上などを進め、元々、3億円程度だった年商も、8年で年商470億円程度まで伸びていったのです。
やずやの情報システムの開発導入や事業部門の立ち上げから始まり、1998年にはやずやの事業部から株式会社九州自然館を切り出し分社化し、2004年には、やずやグループ株式会社未来館を設立し代表取締役に就任しました。
2019年にはやずや通販CRM基幹システムの開発会社である株式会社やずやソリューションズを設立し、やずやグループの番頭として、40年間やずやと共に人生を歩んできました。
2021年末で、株式会社未来館、株式会社やずやソリューションズの社長を退任し、2022年からは、株式会社やずやの顧問をしながらCRM研究家として、これまでの経験を活かした、顧客との絆をベースにしたCRMの普及活動を行っています。
▼会社の事業内容を教えてください
CRM研究家として活動していますが、そもそもCRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、顧客満足度の向上や、営業効率を改善するための手法のことを指します。
今はCRMというワードが当たり前のように企業で飛び交っていますが、私が着手した1990年代はほとんどの企業がノータッチの領域でした。
これまで、食品・健康食品・サプリメントなどをECサイトで販売する、やずやという組織に所属しCRMという領域にどっぷりと足を突っ込み培ってきた経験を活かして、企業と顧客がより感情や絆の部分でも繋がり密接な関係を実現できるCRMのあり方を模索しています。
「顧客を管理する」という言葉は、あくまで企業側からの視点です。
本当に大事なのは、顧客が企業に対してどのような気持ちを抱いているかという点です。
商品が良いというのが大前提の話にはなりますが、購買プロセスの中で企業側と顧客が何かしらの形で接触する際、ほんの小さな対応の差で今後長く商品やサービスをご利用いただけるのか、もしくは1回きりのお付き合いで終わってしまうのか明暗が分かれることも少なくありません。
現在はSNSが普及した関係で、悪い噂がSNS上で拡散し炎上し、最悪の場合は企業の運営が立ち行かなくなるケースもゼロではありません。
上記を踏まえると、デジタル化が進み人対人の購買コミュニケーションが少なくなったからこそ、少ない接触機会で顧客が企業側にどのような気持ちを抱いていただくのかというのがより一層、重要になってくるのではないでしょうか。
▼会社の特徴・強み
私自身が、CRMという領域で40年近く酸いも甘いも経験してきましたので、それが血肉になっている部分は特徴の1つかと思います。
机上の空論ではなく、やずやという事業会社で何度もトライして試行錯誤した経験があるからこそ、顧客が求めていることや、何をしてくれたら嬉しいのかというポイントは理解しているつもりです。
ECロイヤルカスターは5%ほどと言われており、ほとんどが離脱してしまっているのが一般的な数値となっています。
やずやでも、新規顧客の獲得が出来てもリピーターになってもらえないという時期がありました。
これは明確に顧客の満足度を上げられていないという状況です。
その時に、顧客ポートフォリオマネジメントという仕組みを作り、カテゴリごとにどんなポイントをフォローすればいいのかを整理してアプローチしていきました。
その結果、ロイヤルカスターの割合を30%程度まで引き上げることができ、プロダクトはそのままで、1年で10億円ほどの売上がアップし、目に見えた明確な成果に繋がりました。
CRMを活用する上で大事なのは、顧客から「そんな細かいことまで自分のことを覚えてくれているのだ」と心を動かす事です。
CRMはシステムチックな印象を持たれがちですが、本来、心の通ったコミュニケーションを取るためのツールです。
そして、属人的ではなく組織として情報を活かすことが可能ですので、使い方次第では企業経営に大きなインパクトを与える存在だと考えています。
また、従業員側も、顧客の情報があることで電話で話す際、大きな安心材料となります。
相手の情報が無い中で話すのと、相手の情報が分かった上で話すのでは心の余裕も違いますし、顧客側もその違いには敏感です。
▼社内の雰囲気
現在は私が1人動き、必要に応じてプロジェクトチームを組んでアプローチしていく体制を取っています。
やずやでは、人を安易に増やすのではなく、どれだけ仕組化をしていくのかという大事さを学びました。
創業者の意向で、従業員は常時100人程度でそれ以上は増やさないという方針を取っています。
これは、会社の大事にする想いを直接メッセージして組織全体に浸透させようと思うと、100人程度が最適という考えがあったようです。
また、やずやでは「社員第一主義」という発想がありました。
もちろん、顧客に喜んでいただけるからこそ報酬をいただけるのですが、従業員が安心して働けることで、顧客にも良いサービスを提供できるというのが背景です。
企業型の社内保育園を設置したり、送迎バスで従業員のお子さんの幼稚園の送迎を代行するなど、他の会社ではなかなか無い福利厚生もたくさんありました。
従業員を100人以上増やさないのは、上記のサポートも行き届くようにという側面もあります。
▼今後、会社で実現したいこと
今後、従業員を増やしてCRM研究家として組織拡大するというよりも、少数精鋭でプロジェクトチームを組み、仕組化出来ることは行い、これまでの知見やノウハウを後輩たちに受け継いでいきたいと考えています。
そして、一緒に仕事をする方々には、自らはもちろん、その人たちの家族にも幸せになって欲しいという想いがあります。
また、生産者と消費者が直接繋がるのがECですが、より一層、生産者の方の想いに共感して購入してくださる仕組みを作れたらと考えています。
正解は無いのですが、広告料を支払うことで上位表示されるのが多くのECサイトの構造です。
もちろん広告自体を否定する訳ではないのですが、生産者の想いがより一層消費者の方々に伝わり、本物の良い商品が、それを求める人たちに真っ直ぐ届く形を実現したいです。
それを実現するために、子育ての関係で働けない方々と協業し、座組を作れないか構想している最中です。
▼さいごに
私自身、じっとしていることが出来ない性分です。
現在77歳ですが、まだまだ挑戦したいことがたくさんあります。
やずやの創業者と出会い私の人生が変わったように、微力ながら誰かのお役に立ち続けることが出来れば本望です。
挑戦するのに年齢は関係ありません。
ぜひ皆さんも、世間体や周りの意見で自分のやりたいことに蓋をせず、ありたい姿を実現し、人生を謳歌してください。